第37回ラジー賞決定!最低映画受賞はヒラリー氏批判のドキュメンタリー
2017年2月26日 16:50
前年1年間の最低映画を決定するゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)の結果が現地時間25日に発表された。『バットマン vs スーパーマン:ジャスティスの誕生』とヒラリー・クリントン氏のドキュメンタリー映画『Hillary's America: The Secret History of the Democratic Party』がそれぞれ4部門を受賞した。
ラジー賞は毎年アカデミー賞授賞式の前夜に発表される。第37回ラジー賞には、『バットマン vs スーパーマン:ジャスティスの誕生』と『ズーランダー NO.2』が最低映画賞など各部門でノミネートを独占。しかし、結果は『Hillary's America: The Secret History of the Democratic Party』が主要部門をほぼ独占する形となり、今回の大統領選やトランプ政権をめぐる政治的な影響が反映された形だ。
最低映画賞、最低男優賞、最低女優賞、最低監督賞の主要4部門を独占した『Hillary's America: The Secret History of the Democratic Party』は、今回のアメリカ大統領選に合わせて公開されたドキュメンタリー映画。政治評論家でベストセラー作家のディネシュ・デスーザが監督、主演、脚本を務めている。選挙期間中の公開はヒラリー氏に対するネガティブ・キャンペーンとも批判を浴び、ヒラリー氏と民主党の真実を暴くという内容が全米で賛否を巻き起こした。
8部門でノミネートされていた『バットマン vs スーパーマン:ジャスティスの誕生』は、DCコミックスの2大ヒーローが激しい戦いを繰り広げるアクション超大作。最低脚本賞、最低リメイク・パクリ・続編映画賞、最低助演男優賞(ジェシー・アイゼンバーグ)、最低スクリーンコンボ賞(ベン・アフレック&ヘンリー・カヴィル)を受賞した。ベン・アフレックは2014年に『アルゴ』のオスカー受賞及び『ゴーン・ガール』の高評価によってラジー名誉挽回賞を受賞した過去があるが、再びラジー賞に返り咲いた。
また、ベン・アフレックの弟、ケイシー・アフレックは本年度アカデミー賞で6部門にノミネートされた『マンチェスター・バイ・ザ・シー』で主演男優賞にノミネートされており、ベンとケイシーの兄弟ではっきりと明暗が分かれる賞レースとなった。
最多9部門にノミネートされ、本年度ラジー賞の本命候補でもあった『ズーランダー NO.2』は、最低助演女優賞(クリステン・ウィグ)の受賞のみに留まった。
2014年に新設された、ラジー名誉挽回賞はメル・ギブソンが受賞。同賞は過去の不名誉からの復活を果たした人物に贈られるもの。メル・ギブソンは10年ぶりの監督復帰作『ハクソー・リッジ』が本年度アカデミー賞監督賞を含む6部門にノミネートされた事が受賞の決め手となった。