バーバリー、2017 フェブラリーコレクション発表

2017年2月25日 08:42

 バーバリー(BURBERRY)の2017 フェブラリーコレクションが、イギリス・ロンドンで2017年2月20日(月)に発表された。ランウェイショー終了直後から店舗およびオンラインで購入できる、2度目のシーズンである。

 丸みを帯びた滑らかなシルエット、空洞を使ったデザイン、複雑なレイヤリング、そして脱構築的なライン。英国人アーティストのヘンリー・ムーアの作品や制作プロセスから着想を得たワードローブが、彼の作品とともに会場を彩った。

 ブランドの象徴的アイテムであるトレンチコートは、最もテーマを如実に表している。ファーストルックでは、大きくあいた胸元と丸く有機的な線を描く袖のラインが、白一色の中でバーバリーの伝統とヘンリー・ムーアのクリエーションを融合させている。また、トラッドなチェスターコートも肥大化したショルダーやラペルが、彼の作品特有の曲線を想わせる。

 時を経ていくことに固定概念は取り払われ、逆さ向いたり、不規則に穴が開いたりするトップスは、洋服というよりは一種のアートを見るようだ。ニットは入り乱れるようなリブやケーブルで体を覆い、随所にあしらわれたレースやフリルが古典的なエレガンスを紐解いていく。

 ヘンリー・ムーアの作品を描いたプリントも相まって、コレクションはさらに大胆な構図へ。繊細なティアード状の袖がはみ出るニットドレス、クロッシェレースで覆われたシャツ、片側を切り落とされたようなジャケット。クラシカルなアイテムは、一目見ただけでは理解しえない複雑なパターンで巧みに操られている。

 見る人の興味をそそるミステリアスこそが芸術の良さであると考えていたヘンリー・ムーアの思考は、これら洋服にも通じる部分ではないかと考えさせられる。ブランドの伝統的なアイテムでさえ斬新な切り口で幾多のアイテムへと変えてしまう。ひとつの素材やディテールが、変形され、まったく異なる姿で現れることで新鮮な違和感を感じられた今季。しかし、だからこそ今回のランウェイを目にして魅了されずにはいられなかったのだ。

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