感謝状取り消し含め適切に対応明言 稲田大臣

2017年2月24日 09:30

 稲田朋美防衛大臣は23日開かれた衆院予算委員会第一分科会で、昨年12月に大阪市内の学校法人森友学園の理事長・籠池泰典(かごいけ・やすのり)氏に贈った「防衛大臣感謝状を取り消すことも含めて適切に対応する」と答弁した。民進党の辻元清美議員の質問に答えた。

 辻元議員は「海上幕僚監部からの推薦があれば自動的に大臣感謝状を出しているとの理解で良いか」と質した。稲田大臣は「次官が推薦に基づいて、審査し、贈呈を決めている」と答えた。

 これに対し、辻元議員は、森友学園は国有地の売買を巡る問題だけでなく、学園の塚本幼稚園の教育内容や運営の在り方に問題があるのではないかと指摘されているが、問題があることが分かった場合は「感謝状贈呈を取り消すこともあるのか」と質した。

 稲田大臣は「一般論」としたうえで「仮に、感謝状贈呈が相応しくないと判断した場合、感謝状を取り消すこともあり得る」と答弁。

 辻元議員は「幼稚園で教育勅語を暗記させ、唱和させるなどの園の教育の中身は知らなかったのか」と質問。

 稲田大臣は「塚本幼稚園で教育勅語を子どもたちに暗記させているという話は聞いたことがある。(聞いた時期については)定かな記憶はない」と答えた。

 辻元議員から「教育勅語を子どもに暗記させ、教育している幼稚園は安倍政権の教育の基準に照らして問題と思うか、良いと思うか」と聞かれ、稲田大臣は「教育勅語の中の、親孝行とかは良い面だと思う。文科省が言うように(指摘するように)丸覚えさせるということはどうなのかと思う」と答えた。

 辻元議員は文科省に対し「教育勅語を覚えさせ、暗証させることは、教育基本法や教育指導要領に照らして問題のある教育ということになるのか」と質した。文科省担当者(大臣官房審議官)は「(塚本幼稚園が大阪の私学であるので)大阪府が監督指導するものと考えている」としたうえで「教育勅語については内容に配慮し、活用していくのは差し支えないものと考える」と答えた。

 辻元議員は塚本幼稚園が保護者に対し、在日韓国人らに対しての差別的表現の文書や「中国から資金援助を受けている政党が、まことしやかに日本人の顔をして、日本民族を分断しようと活発に動いています。安保法制を1日も早く成立させるべき」などと書いた文書などを国会で安保法制が議論されていた時期に塚本幼稚園の名前で保護者に通知していることをあげ、「大臣感謝状は再考すべきと思うがいかがか」と質した。

 稲田大臣は「事実関係を踏まえて、感謝状の取り消しも含め、適切に対応してまいります」と答弁した。

 森友学園については国有地を巡っても、国が当初鑑定価格からゴミ撤去費約8億円を差し引いた1億3000万円余りで払下げをしたとして、国会で議論になっている。(編集担当:森高龍二)

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