吉本興業、近大らが漫才などで「笑い」の医学的検証を実施

2017年2月19日 17:17

 「笑い」は人間にとって日常的な動作にも関わらず、その定義が曖昧なため国内外でさほど研究が進んでいないという。また、精神疾患の患者は年々増加しており、厚生労働省は2010年に精神疾患による経済損失は年間約2.7兆円に上ると発表している。近畿大学、吉本興業<9965>、オムロン<6645>、西日本電信電話(NTT西日本)は、「笑い」の医学的検証を行い、「笑い」の測定方法と、「笑い」の習慣が身体や心理的健康に与える効果を解明するため、共同で研究を行う。

 近畿大学と吉本興業は2016年12月15日に包括連携協定を締結しており、この研究は、その提携事業の一環。15日より「なんばグランド花月」にて研究の第一ステージとして、健常者を対象に研究を開始する。オムロン、NTT西日本が参画し、両社の高い技術力、ノウハウを駆使し、「笑い」のストレスマネジメントプログラムの早期開発をめざす。

 研究は、4段階に分けて行い、各段階約20人の男女を対象とし、2週間に1回の間隔で定期的に吉本興業が主催する「吉本新喜劇」や「漫才」を鑑賞する。鑑賞の前後で心理テストを行い、鑑賞中には、顔の表情の変化データやバイタルデータの取得を行う。顔の表情のデータ測定はオムロンのヒューマンビジョンコンポ(HVC-P2)で行い、顔の表情以外の心拍数などのバイタルデータ測定は、NTT西日本の技術協力を受けて行う。

 実用化においては、(1)近畿大学附属病院での「笑い」のストレスマネジメントプログラム導入、(2)「笑い」を活用した企業でのストレスマネジメント研修、(3)ICTを活用した遠隔でのお笑いによるストレスマネジメントの提供、といったアイディアを検討、とい協議していく。(編集担当:慶尾六郎)

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