がんの5年生存率は69.4%、10年は58.5%、国立がん研究センターが発表

2017年2月17日 09:53

 国立がん研究センターは16日、がんの部位別の5年相対生存率、10年相対生存率を発表。全部位全臨床病期の5年相対生存率は69.4%と、1997年の62.0%から徐々に改善傾向にある。化学療法、放射線治療や早期発見技術の進歩が貢献していると考えられる。10年相対生存率は58.5%だった。

 部位別の5年相対生存率は、2006年から2008年に診断治療を行った12万1,263症例を集計、10年相対生存率は、2000年から2003年に診断治療を行った4万5,359症例を集計。同センターのサイトには、がんのステージ別の生存率、手術率、病期判明率などのデータも掲載されており、生存率の他にも、これまで公開してきた部位別の5年相対生存率の最新症例についても更新している。

 5年生存率90%以上のがんは、前立腺(100%)、乳(93.6%)、甲状腺(92.8%)。70%以上90%未満のがんは、子宮体(86.4%)、大腸(76.3%)、子宮頸(74.6%)、胃(74.5%)など。50%以上70%未満のがんは卵巣(61.1%)。30%以上50%未満のがんは、肺(44.7.%)、食道(43.4%)、肝(36.2%)。30%未満のがんは、胆のう胆道(28.3%)、膵(9.2%)となっている。

 10年生存率90%以上のがんは前立腺(94.5%)。70%以上90%未満のがんは、甲状腺(89.3%)、子宮体(81.9%)、乳(81.7%)、子宮頸(71.4%)など。50%以上70%未満のがんは、大腸(69.2%)、胃(67.3%)、腎(66.0%)など。30%以上50%未満のがんは、卵巣(45.7%)、肺(32.6%)など。30%未満のがんは、食道(29.4%)、胆のう胆道(17.3%)、肝(16.4%)、膵(5.1%)などとなっている。

 なお、相対生存率は、がん以外の死因で死亡した人が除かれた生存率である。生存率とは、がんと診断された人が一定期間後に生存している確率のこと。生存率には、実測生存率と相対生存率があり、実測生存率には死因に関係なくすべての死亡を計算に含めた生存率のため、がん以外の死因による死亡も含まれる。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る

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