トヨタ、プリウスPHVをフルモデルチェンジ、ソーラー充電採用

2017年2月15日 19:18

トヨタ自動車は15日、プリウスPHVをフルモデルチェンジし、全国のトヨタ店、トヨペット店、トヨタカローラ店、ネッツ店を通じて発売した。2012年1月に発売されたプリウスPHVは、現在までに日本で約2万2,000台、米国・欧州などを含めたグローバルで、約7万5,000台が販売された。

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 新型プリウスPHVは、大容量リチウムイオン電池の搭載し、プラグインハイブリッドシステムの効率化によりEV走行距離を従来比2倍超の68.2kmに拡大。EV走行最高速度も135km/hと、電気のみで走行できる領域を拡大。駆動用モーターに加え、発電用モーター(ジェネレーター)を駆動にも使う「デュアルモータードライブシステム」を採用し、力強い加速を実現した。

 「駆動用バッテリー専用ヒーター」や、世界初となる「ガスインジェクション機能付ヒートポンプオートエアコン」を採用することで、EVモード走行中に、エンジンが掛かりにくい状態を維持しやすくした。1.8L高効率エンジンを搭載することで、HV走行燃費も37.2km/Lの低燃費を実現した。

 充電システムも充実させ、AC100V/6Aの普通充電では家庭の配線を利用できるため、専用の配線工事が不要に。外出先ではトヨタの販売店約4,200基や日本充電サービスの充電スポット約1万4,600基で充電が可能。さらに、量産車では世界初となる「ソーラー充電システム」を採用。太陽光の自然エネルギーを、駐車中は駆動用バッテリーに供給し、最大約6.1km/日(平均で約2.9km/日)の走行分を充電を可能に。走行中は補機バッテリーの消費を補うことで、燃費向上にも貢献する。

 外部給電機能は、今回追加した「EV給電モード」を選択することで、エンジンをかけずに家電が利用でき、エンジンが作動する「HV給電モード」では、最大1,500Wの出力でガソリン満タン状態から2日程度の電力を供給可能とする。

 デザイン面では、フロントに透明アクリル樹脂を採用した大型グリルと4眼LEDヘッドランプを配置し、未来を見据えるシャープな顔つきで先進感を表現。ヘッドランプは、先行車のテールランプや対向車のヘッドランプで車両を認識し、照射範囲を左右16個のLEDで細やかに制御するアダプティブハイビームシステムを採用した。

 リヤには、バックドアガラスに採用した二つの膨らみを持つダブルバブルウインドゥ、一本の赤いラインでつないだハイマウントストップランプとリヤコンビネーションランプなど、一目でプリウスPHVと印象づけるデザインを採用。バックドアには、個性ある造形と軽量化を可能にしたトヨタブランドとしては初となるCFRPを採用している。サイドでは、延長したリヤオーバーハングを活かし、伸びやかで疾走感のあるシルエットを実現した。

 装備面では、トヨタ初の11.6インチT-Connect SDナビゲーションシステムとDCMの標準装備(Sグレード除く)により、視認性・操作性を向上。コネクティッドサービス「T-Connect DCMパッケージ」は、初度登録より3年間無料で提供する。警告灯点灯時、クルマから発信される情報を基にオペレーターや販売店から適切なアドバイスが可能な「eケア(走行アドバイス)」や、クルマから離れた場所でも、充電状況の確認・操作、エアコンの操作、充電ステーションの検索などが可能な、PHV専用スマートフォン向けアプリ「Pocket PHV」も提供する。

 安全面では、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を全車標準装備とした。

 ボディカラーは、新開発した「スピリテッドアクアメタリック」を含む、全9色を設定。また、新たにウェルキャブ(メーカー完成特装車)を設定し、4月より発売予定。新設定の助手席回転チルトシート車は、回転したシートの座面前側を下げることにより、要介助者の乗り降りをサポートするほか、介助者の負担も軽減する。

 メーカー希望小売価格は326万1,600円~422万2,800円、ウェルキャブが342万9,000円、383万4,000円(いずれも税込)。

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