ワークライフバランスの満足度、1位は「派遣社員」長時間労働避ける傾向
2017年2月7日 16:47
安倍政権が進める働き方改革の焦点が長時間労働是正に向けられている。今月1日には「第6回働き方改革実現会議」が開催され、残業時間に罰則付きの限度を設けるなど、実効性のある時間外労働の限度適用を具体的に進める方向で議論がなされている。こうしたなか、求人求職情報サービス提供のエン・ジャパンが「ワークライフバランス」についてアンケート調査を実施。雇用形態別にワークライフバランスや勤務時間・勤務日数に対しての評価を示している。
雇用形態別に現在のワークライフバランスについてたずねたところ「良い」という回答がもっとも多かったのは「派遣社員」で47%となった。以下「契約社員」で37%、「アルバイト」で33%、「正社員」で22%という結果となった。最下位の正社員ではワークライフバランスが「悪い」と答えたのが40%となり、ほかの雇用形態に比較すると目立って高かった。「悪い」と回答した人のワークライフバランス改善方法では、「仕事の割合を減らす」との回答が正社員で66%と最も多くなり、契約社員でも53%となった。これに対してアルバイトでは「仕事の割合を増やす」が48%と最も多い結果となった。勤務時間・勤務日数について正社員では「長い」と感じる割合が高く(66%)、アルバイトでは「短い」と感じる割合が高い(32%)ことが判明。これに対して派遣社員では「ちょうど良い」と感じる割合が最も多かった(66%)。
また、新卒採用サイト運営のi-plugによる大学3年生を対象にした調査によれば、働き方に関して「長時間労働やサービス残業があるか」(59.9%)や「ブラック企業かどうか」(56.5%)を気にする学生が半数以上にのぼり、「有給休暇が取得しやすいか」(46.2%)、「結婚後の待遇、働き方を考慮してくれるか」(44.0%)、「時短・リモートワーク・副業OKなど柔軟な制度があるか」(30.5%)といった項目でも高い割合で気にしていることがわかっている。
非正規で働く人のなかには、仕事以外に比重を置いた働き方を自ら選択している人も多く、不本意非正規のなかにもワークライフバランスを考えたうえでのメリットを感じている人も多いと考えられ、賃金格差を改善することで解決するケースもある。また、正社員として働く人にも仕事の時間を短縮して柔軟な生き方を望む人が多いことがうかがえる。国民のワークライフバランスを改善するためにも、長時間労働是正に向けた実効性のある規定策定が望まれている。(編集担当:久保田雄城)