中国のタイヤ業界が大打撃で天然ゴム市場に試練か、サンワード貿易の松永氏(三井智映子)

2017年2月3日 20:09


*20:09JST 中国のタイヤ業界が大打撃で天然ゴム市場に試練か、サンワード貿易の松永氏(三井智映子)
こんにちは、フィスコリサーチレポーター三井智映子の「気になるレポート」です。
今日は以下の気になるニュースとその後の動きについてレポートします。
米商務省では、23日に中国製のバス・トラック用タイヤが市場価格を下回る不当に安い価格で販売されていることについて不公正な補助が認められるとして、相殺関税を課することを最終決定したとの報道がありました。

松永さんは先月24日のレポートで、『この問題は、全米鉄鋼労働組合からの訴えで昨年から米商務省が調査を開始していました。それに対してここで最終決定が下されたことから、今後の上海ゴムが軟調地合いを強いられる可能性もあります』との見解を述べていました。
今月3日のレポートでは、『米商務省の先月23日の決定を受けて、中国タイヤ業界に動揺が広がっております。中国の天然ゴム有力サイトでも、かなり騒がれております。中国は、タイヤ生産の半分ほどを輸出しているだけに、最大貿易相手国となる米国へのタイヤ輸出が懸念されており、中国タイヤ業界の対米輸出は、3度目の試練を迎えようとしているようです』と伝えています。

今後については、『米政府機関である国際貿易委員会は、2015年の時も中国製タイヤによる被害を認めていることから、今回も認めるとの見方が多いようです。そして、トランプ大統領がこれまで中国の対米貿易黒字を批判してづけてきたことや、中国の対米輸出に対して高率課税を課すと何度も発言してきた経緯を考えれば、「米政府機関である国際貿易委員会は、3月上旬の会合で、中国製タイヤによる被害を認める」と考えるべきかもしれません』と分析しています。

そもそもこのニュースがなぜ天然ゴムの価格にそんなに影響するかというと、『天然ゴムの9割ほどが自動車などのタイヤに加工されます。しかも、中国の天然ゴム消費は、世界全体の約35%を占めている』からです。『3月上旬に中国製タイヤに対して相殺関税と反ダンピング・相殺関税を課すことが決定すると、中国のタイヤ業界が大打撃を受け、上海ゴムが急落する可能性も高まります。中国タイヤ業界は、これまで米国による2009年のセーフガードの実施や、2015年の反ダンピング・反補助金関税の実施に大打撃を受けました。そして3度目の試練が迫ってきたようです』とのことですので、引き続き天然ゴム市場をしっかりウォッチしていきたいですね。

上記の詳細コメントは、ブログ「松永総研~北浜の虎と呼ばれた男~」の2月3日付{天然ゴム市場「中国タイヤ業界に動揺が広がる」}にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコリサーチレポーター 三井智映子《SK》

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