特殊詐欺の件数、16年は1万4151件で6年連続増加

2017年2月2日 22:29

 警察庁は2日、特殊詐欺の16年の認知件数が前年比2.4%増の1万4,151件だったと発表した(暫定値)。2010年から6年連続の増加となる。被害額は同15.7%減の約406.3億円と、2年連続で減少した。オレオレ詐欺の認知件数は同1.6%減の5,737件と4年ぶりに減少、被害額は166.0億円で7年ぶりの減少となったが、還付金等詐欺の認知件数は同55%増の3,682件、被害額は同67.4%の42.6億円と急増している。

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 特殊詐欺とは、面識のない不特定の者に対し、電話その他の通信手段を用いて、預貯金口座への振り込み等の方法により、現金等をだましとる詐欺のこと。オレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺、還付金詐欺、金融商品等取引名目の特殊詐欺、ギャンブル必勝法情報提供名目の特殊詐欺、異性との交際あっせん名目の特殊詐欺などがある。

 高齢者(65歳以上)被害の特殊詐欺の件数は同3.8%増の1万1,041件。認知件数全体の78.0%を占めており、高齢者の被害防止が引き続き課題となっている。特にオレオレ詐欺(全体の被害件数のうち95.8%)、還付金詐欺(同93.0%)で高齢者の被害が著しい。一方、架空請求詐欺、融資保証金詐欺は高齢者以外の年齢層でも被害が見られるので、若い世代も注意が必要だ。

 警察庁は特殊詐欺対策として、犯行グループに被害金が渡るのを阻止するため金融機関、宅配事業者、コンビニエンスストア等に協力を要請し、声掛けや通報を推進している。これら努力によって、16年の間に1万3,140件、191.8億円の被害を阻止し、11年時の特殊詐欺の阻止率26.2%から、16年には49.8%に上昇した。

 また新たな手口である電子マネー型の特殊詐欺の被害防止のため、コンビニエンスストアと連携し、専用シートを使った電子マネー購入者への声掛けも推進。高齢者の被害も依然として大きいことから、今後は自治体と連携した自動通話録音機等の普及の促進、高齢者の家族への働きかけを行うなど、社会全体で抑止力を高める対策を強化するとしている。(記事:荒川・記事一覧を見る

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