米著作権団体とISP、4年間運用の著作権侵害警報システムを停止
2017年2月1日 18:50
あるAnonymous Coward 曰く、 米国で2013年2月から海賊版対策として運用されてきた著作権侵害警報システム(Copyright Alert System、CAS)が運用停止となった。著作権団体であるMPAAとRIAAの肝煎りで作られたシステムで、米国内のISPの回線を使用して加入者が不法コンテンツをダウンロードすると自動的に検知してISPに通報。ISPは加入者に対して警告を行う仕組みだった。違反者は6回警告が送られた場合、ISPは回線速度を遅くしたり、一時回線を切断することができた。しかし、システムの運用元であるCenter for Copyright Information(CCI)は2017年1月27日、CASの運用を停止するというリリースを出している。
この件を報じているメディアの多くは、CASは海賊版の流通の阻止に失敗したとしている。ただCCIの発表では停止の理由説明はなく、原因特定は難しい。Engadgetの推測ではCASのシステムが楽観的すぎた点と(多くの海賊版利用者は海賊版を落としている自覚がなく、警告すれば改善されると思っていた)、技術の変化(このシステムはP2P対策が強かったが、YouTubeで曲をストリーミングされた場合の対策は考えていなかった)が理由とされている。ちなみにRIAAなどの著作権団体はCASの代替手段を考案していない模様(TorrentFreak、Slashdot)。