「強姦罪」が「強制性交等罪」に、性区別の撤廃や非親告罪化へ改正

2017年2月1日 08:47

 法務省は性犯罪の厳罰化に向けた刑法改正に伴い、これまで「強姦罪」と呼ばれていた罪を「強制性交等罪」に変更する方針。法定刑の厳罰化や性別差の撤廃、非親告罪化といった内容の変更も行われる。刑法改正法案は20日から始まる通常国会に提出され、3月上旬に閣議決定される見通しだ。強姦罪は明治時代から使われてきた呼称で、今回刑法が改正されれば100年以上ぶりの変更となる。

 改正内容としては1つ目に法定刑を引き上げがある。強姦罪は現行法であれば3年以上の有期懲役が課されるが、新法案では5年以上に、強姦致死罪は現行方では5年以上の懲役刑であるものが、6年以上に厳罰化される。

 また強姦罪や強制わいせつ罪は現行法では親告罪であった。被害者から被害届が出されて初めて捜査・公訴ができるが、事実があっても被害者の精神的な負担の大きさから被害届が出ていないケースも多くあり、警察が捜査に着手できなかったという問題点があった。改正後は非親告罪となり、被害者の届けがなくとも捜査・公訴に着手できる。非親告罪となることで被害者が泣き寝入りをせず、犯人が裁かれる効果が期待される。

 そして一番大きな改正点は性差の撤廃であろう。現行法の条文では「暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。」と記されており、被害者は女性に限定されていた。改正法案ではこうした性差をなくし、男性が被害に遭った場合でも成立の要件となる。

 「強制性交等罪」への呼称変更にはこうした「加害者は男性、被害者は女性」という前提を無くし、内容を反映したものとしている。

 犯罪が多様化、巧妙化する中で、今回の法改正によってこれまで事件化されてこなかった事案も捜査・起訴できる。卑劣な性犯罪者が償いをし、性被害が少しでも減ることを期待したい。(編集担当:久保田雄城)

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