熱血アニメ列伝その20、一球入魂!『ミラクルジャイアンツ 童夢くん』

2017年1月25日 08:45

記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ

 皆さん、今年も熱いアニメ見てますか?いつもこの『熱血アニメ列伝』を読んでくださって、ありがとうございます。今年もますます熱く盛り上がるアニメを取り上げて紹介していきたいと思っていますので、何卒よろしくお願いいたします。

 さて、そんな新年一発目の今回のアニメは、王道スポーツ物の名作『 ミラクルジャイアンツ 童夢くん 』を取り上げたいと思います。

 下手したら、全く知らない方も多いかもしれない、今回の作品。これが実に良い熱血具合なのです。まずはいつもの通り、あらすじから!

■ジャイアンツなんて大嫌いだ!『 ミラクルジャイアンツ 童夢くん 』のあらすじ


 時は昭和から平成に変わったすぐの1989年。その前の年に完成した東京ドーム球場に、一人の天才少年野球選手が誕生します。その名は「新城童夢(しんじょうどうむ)」。

 全ての打者を三球三振に打ち取った「81球完全試合」を達成した偉大な父、「新城夢人(しんじょうゆめと)」を父に持つ彼は、亡き父の開発した魔球「童夢スペシャル1号『スノーミラージュボール』」を駆使して華々しくデビュー。

 物語冒頭では、父の死がジャイアンツの酷使による過労死だと信じ込んでいた為、「ジャイアンツなんて大嫌いだ!」と、入団の誘いも断っていましたが、母からその父の死の真相を聞き、入団を決意。

 魔球もさる事ながら、本人の小学生の標準を大きく逸脱した身体能力、数々のライバル達による切磋琢磨により、立派なジャイアンツの選手として成長していきます。

 ジャイアンツのピンチを救い、セリーグの覇者になる事が出来るのか?童夢君の挑戦が始まるのでした。

■王道の魔球設定が熱い!数々の魔球の魅力とは?


 以上が、『ミラクルジャイアンツ童夢くん』のあらすじです。もうすぐ平成も終わろうという時に、平成が始まったばかりの作品を書く、というのは少し不思議な感じがしますが……。

 このアニメの特徴の一つは、「実際のセ・パ両リーグの全面協力によって作品が作られている」という事です。パリーグはほとんど作品には出てきませんが(今のように当時はパリーグとの交流戦がなかったのもありますしね)。

 実際、最初の童夢君の魔球「スノーミラージュボール」を打ち崩すのは、当時中日ドラゴンズに在籍していた「落合博満」選手だったりしますし、各球団の有名選手が普通にキャラクターとして登場していました。

 今でいうところの「現実と虚構が入り混じるクロスオーバー作品」という面もあったと言えるでしょう。

 しかし、なんと言ってもこの作品の魅力であり「熱血ポイント」と言えるのは、童夢君が開発していく、数々の魔球でしょう。

 作品に登場する魔球は全部で5つ。それぞれを解説していきましょう。

 ・童夢スペシャル1号:スノーミラージュボール……ドーム球場の中で発生する特殊な気流を利用して、ナックルボールの描く軌道を急激に変化。一度ドーム球場の天井付近まで上昇する程の急変化で打者の視界から消える、所謂「消える魔球」。

 ・同2号:レインボースパークボール……フォークボールを下手で投球。ドーム球場の気流と照明により、激しい7色の閃光と共にボールが分裂する「分身魔球」。

 ・同3号:サンダーバキュームボール……時速180キロを超える超豪速球。様々なスポーツのフォームを合体させた特殊な投球フォームと投げる時の左足の動きで真空状態によるボールを押し出す力でより加速を生み、最高速度は300キロ近くになる。

 ・同4号:ハイパースピンブラックホールボール……ボールに物凄い回転数を与えることで、ブラックホールを発生させ、打っても前に飛ばない効果を生み出す「超重い球」。

 ・ケンジスペシャルイリュージョンスペースワープボール……北海道で知り合った少年ケンジとの約束によって生み出されたボールの摩擦熱で蜃気楼を発生させ、実体の位置を把握出来なくさせる魔球。

 以上の5つです。多分、これを読んだ方は少し思うかもしれません。

 「ブラックホールって!」

 「え?ドーム球場って何?魔法の施設?そんな気流とか発生してるとか、怖いわw」

 みたいな突っ込みをしたくなる気持ちも分からないでもないですが!しかし、その辺は作品の持つ熱血な感じでごまかす……もとい、気にならないのです!

 細かい事は良いんだよ!って言葉もありますし、実際そんなところが気にならない程、この作品は「王道の魔球アニメ」的な部分がよく出来ています。

 この時代、既に「魔球」的な表現は、アニメでも漫画でもほとんど姿を消していました。この連載コラムの初期にも扱った『疾風!アイアンリーガー』を除くと、魔球を扱ったアニメはほとんど無いと言っても良いでしょう。

 そんな中、「野球離れが進んでいる子供達に野球の楽しさを少しでも知って貰えたら」と、作られたらしい本作品。その為に、この作品の主人公は小学生の童夢君ですし、現実の野球ではあり得ない「魔球」という要素を入れたのでしょう。

 個人的には、「リメイクが叶うのであれば、是非見てみたい作品」の一つにあげたいアニメの一つです。

■見られた人はラッキー?童夢くんを見る方法は……?


 前項の最後で「リメイクが叶うのであれば」、と書きましたが。

 ほぼ、それは不可能だと思います。

 と、言うのも。今回のコラム、実際の作品を見てこの執筆を行っていません。理由は、見る方法が無いから。

 実は、この作品は当時と数年後の再放送を除けば、それ以来ほとんど放送もされていませんし、ソフト化もほとんどされていないのです。

 ネットで流れている噂では、マスターが既に消失されている、という話もあります。

 ただ、番組冒頭の10話までと、「ケンジスペシャル」のエピソードが描かれているスペシャル版はVHSのソフトが一応存在します。

 日本のどこかには、あるいは、レンタルビデオ店や古本屋などにこの作品のVHSソフトが存在している……かもしれません。自分としても、可能であれば、もう一度最初から最後まで童夢君の熱い戦いを見てみたいところなのですが。

 もし、友人・知人等でこの作品を録画したものを持っている方がいらっしゃって、見る機会がある方がいらっしゃったら、それはかなり幸運だという事を最後に記しておきます。

 ってか、書いてて超見たくなってきましたーーー!!!

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(あにぶ編集部/あすかつぐよし)

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