半導体デバイス市場、2015年は26兆1470億円、20年には28兆9127億円に
2017年1月22日 22:15
富士キメラ総研は、IoTや自動運転などを実現する主要または先端、注目の半導体デバイスの市場を調査・分析した。その結果を報告書「2017 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望」にまとめた。この報告書では、半導体デバイス17品目はじめ、採用されるパッケージ3品目、前工程材料7品目、後工程材料6品目、製造関連の装置3品目、半導体デバイスのアプリケーション6品目の市場の現状と今後の動向をまとめた。
対象とした半導体デバイスの内、省電力無線デバイスを除く16品目の市場は2015年に26兆1,470億円となった。2020年には2015年比10.6%増の28兆9,127億円が予測される。品目別にみると、市場規模が最も大きいのがCPUで、以下、DRAM、NAND、汎用マイコンと続く。CPUはサーバーの仮想化やスマートフォン市場の成長鈍化の影響を受けている。低価格帯のスマートフォンのウェイトが上昇することで相対的に単価が下がる可能性が高く、市場は2019年以降マイナスに転じると予想される。DRAMやNANDはスマートフォン向け、サーバー向けで容量が増加していることから、今後も市場拡大するとみられる。汎用マイコンは家電やIoT関連機器向けが増加するが、単価下落が続くため大きな伸びにはいたらない。
その他では、FPGAが大きく伸びている。次世代メモリーも市場規模は小さいが伸びは大きい。車載SoCは従来用途に加えて1台当たりの搭載個数が増加するADAS向けの伸びが期待されるとしている。
NANDはスマートフォンの容量増とSSDの出荷増で市場が拡大している。スマートフォンでは「iPhone7/7 Plus」で256GBモデルのメモリーに採用されたほか、低価格機でも平均搭載容量が増加している。SSDは低価格化が進み、昨年に引き続き出荷が増加している。NANDは大きくプレーナ型の2D NANDと積層型の3D NANDに分けられるが、特に3D NANDがSSD向けに加え、モバイル機器向けやリムーバブルメディア向けの採用も増加しており、2016年から2017年にかけて急伸するとみられる。
FPGAは、製造後にユーザーが再プログラムできる集積回路である。民生機器におけるASSPやASIC代替により市場が二桁成長している。車載SoC(System on Chip)は、カーナビ向けで採用が拡大してきたが、現在はインパネ・クラスターのデジタル化やADASでの採用が進み、市場が拡大している。
次世代メモリーは不揮発性のFeRAM、MRAM、PRAM(含む3D Xpoint)、ReRAMを対象とした。MRAMからST-MRAMへの移行による微細化・低コスト化、EEPROMなど従来型メモリーが採用されていたアプリケーションにおけるデータロギング容量の増大、低消費電力化などを目的とした揮発性メモリーからの置き換えで市場が拡大しているとしている。 (編集担当:慶尾六郎)