日産、ミャンマーで現地法人と共同で自動車生産開始
2017年1月21日 10:45
日産自動車とミャンマーのタンチョンモーター社は、ミャンマーで自動車生産を開始したと発表した。生産するモデルは、日産を代表するセダン「サニー」だ。当初は、タンチョンモーターの既存施設を使用して生産を行なっていく予定だ。
日産とタンチョンモーターは、ミャンマーの自動車マーケットにおける商品ラインアップの強化と現地生産能力の拡大をコミットしており、今回の自動車生産開始は、両社がミャンマー市場で今後取り組む事業拡大計画において重要な試金石となる。
生産開始の式典には、日産とタンチョンモーターの役員らに加え、ミャンマー経済界や自動車業界団体の要人とともにヤンゴン管区首相が参加した。
式典に出席したタンチョングループの顧問であるダトー・タン・セン・サン氏は、冒頭の挨拶で、「今回の日産サニー生産開始は、今後の自動車産業の発展に向けた、ミャンマー政府へのサポートとコミットメントをさらに強化するもの」と述べたという。
また、日産のアジア・オセアニア事業担当理事(RSVP)である真田裕氏も、「日産が、ミャンマーの自動車産業の成長を担う強力なプレイヤーになることを非常にうれしく思います。この地での車両生産開始は、フィリピンやベトナム、カンボジア、ラオスを含む幅広いアジア・オセアニア地域における当社の成長戦略において重要なマイルストーンです。日産は、ミャンマーの皆さんと長期的かつ生産的な関係を構築するとともに、今後もサプライチェーンを通じて価値を創出し、雇用や投資を活性化していきたいと考えています」と語ったと伝える。
さらに、ヤンゴン管区首相であるピョウ・ミン・テイン氏は、「ミャンマーで唯一、日産車の独占販売を行うタンチョングループの事業拡大は、非常に喜ばしいことです。更にバゴー管区に建設される生産工場によって、現地コミュニティに投資や雇用機会がもたらされ、経済成長や所得水準の向上が促されるでしょう」と語った。
日産とタンチョンモーターは昨年2月、バゴー管区で土地賃借契約に調印していた。
タンチョンモーター社は、2013年5月に設立。ヤンゴン州カマユ郡区にある同社初の日産車ディーラー3店舗では、同地区の消費者にフルサービスを提供している。2013年8月15日に、日産とタンチョングループは、ミャンマー投資委員会より、同国における日産車の生産と販売を行なうライセンス認可を受けた。新工場の建設に向け、タンチョングループとミャンマー政府は現地の人材採用による経済の活性化を目指し、取り組みを強化しているところだ。(編集担当:吉田恒)