高齢者事故対策は「身体能力チェックで」――内閣府世論調査
2017年1月13日 10:09
内閣府は12日、「交通安全に関する世論調査」の結果を公表、高齢者の事故対策としては「身体能力チェックの強化」が「認知症早期診断」を抑えてトップだった。調査は2016年11月に、全国18歳以上の日本国籍を持つ3,000 人に対して行い、有効回収数(率)は、1,815 人(60.5%)だった。
高齢運転者に対する質問では、「75歳以上の運転者は、免許人口10万人当たりの死亡事故が平成27年には全年齢層の平均の約2倍」として、身体機能が衰えているのに運転を続ける人も多いといわれるなか、「高齢運転者の事故を防ぐために、あなたが重要だと思うこと」を複数回答でたずねた。
結果は、身体機能のチェックの強化が70.7%、認知症の早期診断等のための体制整備59.2%、高齢者の移動手段確保に向けた地域公共交通網の整備52.9%、運転免許証の自主返納のメリットの拡充や広報の強化――が挙げられた。
今年3月に施行される改正道路交通法では、75歳以上の認知機能検査に基づく対応が強化され、認知症の疑いがあれば医師の診察が義務づけられる。認知症による運転事故を防ごうという狙いだが、医療界などからは認知症と運転技能を安易に結び付けるべきではないという批判も出ている。