戦争被害者救済でシリア行き計画の英元兵士、テロリズム法違反で有罪
2017年1月9日 17:30
英国人の元兵士の男性が昨年9月、シリアの戦争被害者を救う目的で英国を出国しようとしたところ逮捕され、英国の2000年テロリズム法に違反したとして12月に有罪判決を受けたそうだ(The Registerの記事、Wales Onlineの記事)。 罪状は警察官が要求したiPhoneのPINコード開示を拒否したというものであり、テロ行為そのものではない。2000年テロリズム法の附則7では、出入国の際に捜査員の求める情報を提示することを義務付けており、これに抵触したようだ。 警察では昨年7月から、男性がクルド人部隊を助けるためにシリアへ行こうとしているのではないかと考えていたそうだ。そのため、警察は何度か男性を訪ねており、男性は9月9日のフライトを予約していると伝えていたという。 フライト当日、男性がヒースロー空港に到着すると職務質問を受け、iPhoneのPINコードを要求される。男性はPINコードを伝え、指紋認証を行ったが、ロックを解除できなかったため逮捕されたようだ。男性はPINコードを忘れたなどとして、その後も正しいPINコードを伝えていないとのこと。 裁判で有罪判決を受けた男性は、50時間の無償労働を伴う12か月間の社会奉仕を命じられ、刑罰賦課金として85ポンドの支払いも命じられる。それだけでなく、男性はISISと戦う意思を公言したため、ISISを名乗る者からの脅迫を受けているとのことだ。