RMS、LibrebootのGNUプロジェクト離脱を認める
2017年1月7日 17:18
Richard M. Stallman氏が5日、Librebootに別れを告げるメッセージをGNUメーリングリストに投稿し、昨年9月から続いていたLibrebootのGNUプロジェクト離脱をめぐる論争が決着した(Stallman氏の投稿、Phoronixの記事、OSDN Magazineの記事)。 LibrebootはオープンソースのBIOS/UEFIであるcorebootのダウンストリームで、基本的にはハードウェア初期化用としてcorebootに含まれるバイナリーブロブを除去したものとなる。Librebootは昨年5月に正式なGNUプロジェクトになったが、メインテナーのLeah Rowe氏は9月、あるFree Software Foundation(FSF)従業員が性転換者であることを理由に解雇されたと批判してGNUからの離脱を宣言する。Rowe氏の批判は、FSFやGNUが存在に値するとは考えられないといった手厳しいものだ。 Stallman氏とFSFは性転換者であることが解雇の理由ではないと説明したが、Rowe氏は複数の元FSF従業員(解雇された従業員とは別人)の証言などを添えて両者が嘘をついていると批判。解雇やいじめにかかわったFSFメンバーの辞職または解雇を求め、FSFに対するボイコットや他のプロジェクトのGNU離脱を呼び掛ける事態に発展する。 一方、GNUではいったんGNUプロジェクトになったプロジェクトの離脱は認められないとし、Rowe氏がメインテナーを降りてLibrebootをフォークしたとも主張していたという。 それから4か月が経過し、Stallman氏はプロジェクトとGNUの関係は恒久的なものであるとの見解を維持しつつも、3つの理由でLibrebootのGNU離脱を認めている。1つ目の理由はLibrebootが長期にわたってGNUパッケージに含まれていたわけではないこと、2つ目はRowe氏がLibrebootをGNUパッケージに追加した開発者自身であること、3つ目はGNUのもとでLibrebootの開発を続ける意思のある主要な開発者がいないことだという。 これらの理由によりGNUではLibrebootの開発継続を中止するとし、LibrebootはGNUパッケージではなくなったが、今後もフリーソフトウェアであり続けると締めくくっている。