日本らしいPKO活動続けるよう激励、稲田防相
2017年1月6日 00:59
稲田朋美防衛大臣は4日、国内外の自衛隊員に対し「国際情勢がめまぐるしく変化する時代において、国際社会と手を携え、平和国家としての歩みを、更に力強いものとするため、防衛省・自衛隊に対する国民の期待に応えるべく、隊員の皆さんと様々な課題に取り組んで行きたい」と年頭の辞を述べた。特に南スーダンでPKO活動にあたっている隊員らに、さくらプロジェクトなど日本らしいPKO活動を続けるよう激励した。
稲田防衛大臣は、さまざまな課題への取り組みの中で、第1に「平和安全法制に基づく任務の着実な実行」をあげた。
稲田大臣は「昨年は、南スーダン派遣施設隊第11次要員へ(駆けつけ警護などの)新たな任務を付与したほか、平和安全法制の内容を含んだ初の日米共同訓練『キーンソード17』を実施し、米軍等の部隊の武器等防護の運用を開始した。本年も平和安全法制の着実な具体化を進めていく」と述べた。
また「防衛大綱・中期防に基づき、統合機動防衛力の構築に取り組んでいく」とし「特に、南西地域の防衛態勢の強化は喫緊の課題であり、各種事態における実効的な抑止・対処に向け、着実に防衛力整備を行っていく」と述べた。
稲田大臣は日米関係について「今月、トランプ新大統領が就任し、新政権が発足する。我々がこれまで築いてきた信頼関係を基に日米同盟をさらに強化していきたい」とした。
一方、沖縄の米軍基地負担問題については「本年は沖縄返還から45周年の節目の年」とし「沖縄には依然として多くの米軍施設・区域が集中しており、県民の方々の大きな負担となっている。沖縄に寄り添い、基地負担軽減のため、今後とも皆さんとともに努力を重ねてまいりたい」と語った。沖縄の米軍北部訓練場のヘリパッドを活用したオスプレイ飛行問題や普天間基地の辺野古への代替基地建設問題には触れなかった。
南スーダンPKO活動については「国際社会の平和と安定のための取り組みの一環であり、長期的な国造りのために欠かせないもの」とした。また南スーダンでの活動の一部としての「さくらプロジェクト」を取り上げ「現地の方々に、職業訓練のため、車両整備やコンクリート施工などの技能実習を行うもので、自衛隊の活動は現地の方々や南スーダン政府、UNMISSに深く感謝されている。世界各地で高く評価され、常に大きな期待を寄せられている。今後とも『日本らしい』国際平和協力を続けていただきたい」と激励した。(編集担当:森高龍二)