【中国】小型車排ガス基準厳格化、2020年から「国6」段階導入へ
2017年1月2日 09:05
*09:05JST 【中国】小型車排ガス基準厳格化、2020年から「国6」段階導入へ
小型自動車(設計総重量3.5トン以下の乗用車と商用車)に特化した新排ガス基準が中国で公表された。2020年から23年にかけて、新基準「国6」を段階的に適用させる運び。大気汚染の重点対策エリアでは、予定を繰り上げての導入も許可する方針という。
環境保護部と国家質量監督検験検疫総局はこのほど、「軽型汽車汚染物法限値及測量方法(中国第6段階)」を発表。小型車向け新排ガス基準の内容と、その導入時期を明らかにした。新基準への対応に向けてメーカーが十分な準備期間を確保できるよう、小型車「国6」基準は2段階に分けて実施。排出規制に関して、「国6a」と、それをさらに厳格化した「国6b」の2基準を設け、それぞれ2020年と2023年の適用を求める。国家標準委員会ではすでに「国6a」に対応したガソリンと軽油の国家基準を制定。承認を得た。
小型車「国6」では、排ガス試験に世界統一プロセスを採用。試験基準をより厳格化させ、実験室と実際使用時の排ガス計測値の誤差を縮小させる。また欧州などで導入決定されている「実走行排ガス試験(RDE)」を新たに導入。車両の実際走行時の排ガスコントロールレベルを引き上げる。さらに、VOC(揮発性有機化合物)の排出規制を厳格化。「燃料蒸発ガス試験」と「VOC放散試験」を実施し、燃料蒸発ガスの排出抑制レベル90%以上を達成するよう求めた。このほか、これまで分けていたガソリン車とディーゼル車の規制値を統一している。
中国の排ガス基準はこれまで欧州基準を参考にしてきたが、小型車「国6」は国内の自動車専門家などの意見を取り入れて策定した中国独自規格。「世界で最も厳しい排ガス基準」として、世界標準のベースとなることを想定している。これによって中国車の国際競争力引き上げを図る狙い。国内自動車業界に過剰生産がみられる中で、新基準導入によって弱小メーカーの淘汰を促す意図もある。
中国は2001年に排ガス国家基準「国家第一段階機動車排ガス標準」(「国1」)を導入した。全国適用する現行基準は「国4」。一部重点エリアで「国5」を先行導入している。「国1」を比べて「国5」は、排ガス規制を90%以上厳格化させた。
【亜州IR】《WA》