熱血アニメ列伝その19 おあがりよ!『食戟のソーマ』

2016年12月24日 09:09

記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ

 もうすぐクリスマスを迎えますね。今年はあにぶさんで、こうして連載を持つ事が出来て、楽しくコラムを書かせてもらえて、ありがたい一年でした。

 来年からは、もう少しこの熱血アニメ列伝の更新頻度をあげたいところですが……。その辺も来年の抱負にしたいところですね。

 さて、今回はガリアン、レイズナー、そしてガオガイガーに続く作品をセレクトしています。もしかしたら、前回ガガガを選んだ時点で「もしかしたら来るかも?」と思った方、正解です。

 そう、今回は『週刊少年ジャンプ』連載作品をアニメ化した『食戟のソーマ』を取り上げたいと思います!

 あの作品を少しでも知ってる人は、あるいは「え?あれ……熱血?あすかさん血迷った?」と思う人がいつもより多いかもしれませんが。いえいえ、あれは十分に熱血作品でございますよ!(断言)

 と、いう事で、まずはいつもの通り、あらすじから行ってみましょう!

■入ったからにはてっぺん取るんで!『食戟のソーマ』のあらすじ


 主人公、「幸平創真(ゆきひらそうま)」は街の定食屋「食事処 ゆきひら」の一人息子。

 父親「幸平城一郎」は実はかなりの凄腕の料理人で、世界のVIPがその味を求めるほどの有名な料理人なのですが、作品開始当初では創真はその事を知りません。

 ソーマは中学卒業後は、父の元「ゆきひら」で料理の修業をし、いずれは父を越える事をその目標としていました。しかし、突然父は「ゆきひらをしばらく畳む」と言い残して、創真の前から姿を消します。

 そして、創真は父の言いつけで、とある学園に入る事となります。それが、このアニメの舞台である「遠月茶寮料理學園」です。

 最初は「どうせロクに店に立った事もない奴らが学んでいる場所」ぐらいにこの学園を見下していたような創真。

 入学式の挨拶で(ちなみにソーマは高等部への編入をこの学年でただ一人許された生徒です)

 「この学校は踏み台としか思ってないです。客の前に立った事のない連中に負けるつもりはないっす。まあ……何が言いたいかと言うと。要するに、入ったからにはてっぺん取るんで!」

 などと、同学年の生徒にぶちかまし、生徒達の反感を買うようなこともしていました。

 しかし。そこから、簡単に彼がこの学園のトップを取れたか、というとそうではありません。様々の試練や、料理の腕の確かなライバル達が創真の行く手に立ちふさがります。

 創真は父を越えるほどの料理人になる為の道を、この学園で歩むこととなったのです……!

 と、言うのがこの『食戟のソーマ』のあらすじです。

■少し我慢が必要?『食戟のソーマ』の熱血じゃないとある要素とは?


食戟のソーマ

画像引用元:©附田祐斗・佐伯俊/集英社・遠月学園動画研究会弐

 さて、あらすじを読んで、あるいはこの作品をご存知の方は「あすかさん、あれの事触れないのか……?」と、思った方もいるかもしれませんね。

 あらすじだけを書くと、割と王道な「料理対決モノ」の話が展開していますし、実際『食戟のソーマ』はこの「熱血アニメ列伝」で扱うに足る、熱血アニメであるとは自分でも認識しているのですが……。

 実は、このあらすじに書かれた第1話~3話と、そこからアニメの第一期の中盤ぐらいまではとある要素がこの『食戟のソーマ』の中では強く印象に残る筈なのです。

 そう、その要素とは……「エロ」です!

 自分は、「週刊少年ジャンプ」は基本的に毎週買っていますし、『食戟のソーマ』も毎回楽しみにしている漫画の一つです。

 ですが、正直に言って、この作品が連載開始当初のまま、「エロ描写」を全開で行ってたら、今も読んでいる漫画であるかは少しだけ疑問だったりします(良し悪しではなくて、好みの問題です。念の為)。

 『食戟のソーマ』では、グルメ漫画のある意味での金字塔である『ミスター味っ子』のアニメ版のように、食べた時の美味しさを表現する描写が過剰になっています。

 そして、味っ子が味皇様の「うーまーいーぞぉぉぉっっ!(口からビーム!)」に代表されるような、少しギャグっぽくも破天荒でありながら、熱い描写であった事を覚えている人も多いと思います。

 『食戟のソーマ』は漫画もアニメもそのような描写に「エロ」要素を加えている訳です。

 食べた人間(特に女性)が、創真や他のキャラクターの美味な一品を食べた後に、性的な雰囲気のある恍惚とした表情を浮かべたり、イメージの中で、美味しさの破壊力により、衣服が平気で吹き飛ばされたり。

 現在のジャンプの連載陣にあって、1.2位を争うレベルの作画能力を持つ佐伯俊先生によって描かれるそうした表現は、少なからずジャンプの連載陣の中で生き残っていく為には必要な要素だったのでしょう。

 そんな訳で、特に女性でこの手の描写が苦手な方は、『食戟のソーマ』を見る際には、少しだけ注意が必要かもしれません。

 しかし!そのエロ描写、エロ要素は物語が進むにつれて、減っていきます。そしてどんどん「熱血王道料理モノ」としての要素が作品の中で増えていくのです!

■この作品の熱さは食の真剣勝負「食戟」にあり!


画像引用元:©附田祐斗・佐伯俊/集英社・遠月学園動画研究会弐

 前述したあらすじでは説明しませんでしたが、この作品のタイトル『食戟のソーマ』、まず「食戟とは何ぞや?」って思う人は、特に作品を見た事のない方には多いかもしれません。

 食戟とは……作品の舞台「遠月学園」において、何か揉め事などが起こった時に起こる「料理勝負」の事です。

 しかし、ただ勝負をしたいからと言って、簡単に成立する訳ではありません。戦う両者の了承が得られている場合以外は、仕掛けられた側に何らかのメリットがある、あるいは仕掛けた側が己の何か大事な物を勝負の為に賭ける必要があります。

 例えば、主人公の創真は、学園に入学した時は、ただの一般生徒なので、何も権限が無いと言って良い存在です。

 その為、創真が喧嘩を売りたくても相手が「お前と食戟をしても、こちらには何もメリットがない」となって、食戟が成立しない場合がある訳です。

 ですが、その場合例えば「あんたに負けたら、料理人をやめてやる!」などと創真が宣言する事で、創真を快く思っていない人間の場合はこの勝負に乗ることになったりします。

 そして、主人公創真は、ジャンプ漫画の主人公らしく、この食戟を「誰かの為」にやる事が多い、ヒロイックな部分を持つ少年なのです。

 彼はあらすじでも書いた、暴言を吐いたりするようなところもありますが、一度仲間と思った相手には、自分の損得を省みずに助け舟を出したりする、男気あふれる部分を備えてもいます。

 その勝負は大抵がかなり無謀な勝負が多く、まさに「ジャンプの王道のバトルモノ」な展開の料理バトルが繰り広げることになるのです。

 この食戟を軸にしたストーリーの展開は、十分にこの連載コラムで扱うに相応しいほどの「熱血」が潜んでいる、と言っても過言ではないと個人的には思います!

 そして、今回この『食戟のソーマ』という作品を選んだのは、単にこの作品が熱血度が高いだけではありません。

 実は、前回の『勇者王ガオガイガー』の監督である「米たにヨシトモ」さんが、この作品の監督でもあるのです!

 ガリアンやレイズナーを手がけた高橋監督のクリエイターとしての能力を受け継いだ「米たにヨシトモ」さんが、ガオガイガーで見せた熱血的な部分は、この『食戟のソーマ』でも十分に見られると思います。

 特にガオガイガーが好きな方で、まだこの『食戟のソーマ』を未見の場合は、是非、一度この作品を見て欲しいですね。

■個人的お勧めエピソードは「スタジエール編」です!


 さて、『食戟のソーマ』の熱さを色々と語ってきましたが、冒頭で書いたような「え?この作品って熱血?」って思った方にも、納得してもらえていると、嬉しいのですが、いかがだったでしょうか?

 最後に、個人的なお勧めエピソードをあげておきます。それは、第二期アニメ『食戟のソーマ 弐の皿』の最終エピソードでもある「スタジエール編」です。

 このコラムを書いているあすかさんは、特にこのエピソードが好きで、とある理由によって、主人公の創真が劇的な成長を遂げるシークエンスが本当に大好きで大好きで。

 しかし、このエピソードにたどり着く為には、一期の最初から全て見ていかないと、面白さも半減すると思います。

 各種定額動画サイトでの見放題の中にも、この作品はありますので、是非、年末年始のお休みの時にでも、この作品の一気見をお勧めします!

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(あにぶ編集部/あすかつぐよし)

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©附田祐斗・佐伯俊/集英社・遠月学園動画研究会弐

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