日立化成が中国企業に事業譲渡、タッチパネル向けフィルム製造技術など
2016年12月23日 14:22
*14:22JST 日立化成が中国企業に事業譲渡、タッチパネル向けフィルム製造技術など
日立化成<4217>は22日、タッチパネル向け透明層間充填フィルム「ファインセット」の製造技術や特許権を中国企業に譲渡することを明らかにした。透明層間充填フィルムの低価格化など市場環境が厳しさを増す中、「ファインセット」に投入していた経営資源を新製品の早期立ち上げのために使い、高機能材料事業の拡大につなげていく考えだ。
譲渡先に選んだのは、政府系の中国航空技術国際控股公司が新設した上海航日化学公司。日立化成は同社に対し、「ファインセット」の製造技術、製造設備のほか、特許権、商標権を譲り渡す。
高機能材料事業の一環として、日立化成はディスプレイやタッチパネルの周辺材料を手がけており、その一つとして「ファインセット」事業を行ってきた。ただ、最近ではスマートフォンやタブレット端末に使用される透明層間充填フィルムの価格が低下し、同事業の市場環境は大きく変化している。こうした中、ディスプレイ周辺材料の製品ラインアップを拡充し、そのコスト優位性を生かして事業を一段と強化する方針の上海航日化学公司から、「ファインセット」事業を継承したい旨の申し入れがあったという。なお、譲渡価格は明らかにされていない。
【亜州IR】《ZN》