『機動戦士ガンダム00』戦火に見舞われる中東!「俺がガンダムだ!」とは

2016年12月18日 18:45

記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ

 『 機動戦士ガンダム00 』のアニメ第1期では、紛争やテロに武力で介入する主人公達・「私設武装組織ソレスタルビーイング」と、各国の軍やテロリストとの戦いが描かれています。

 今回はそんな第1期のエピソードの中で、一クール目終盤を飾った中東のストーリーについて触れていこうと思います。

※この記事内に登場する中東とは、クルジス共和国、アザディスタン王国という架空の国です。

■主人公:刹那・F・セイエイは元中東の少年兵


 このエピソードのポイントは、主人公でありガンダムエクシアのパイロットである刹那が、中東と深く関わっている人物だという点です。

 刹那はクルジス共和国という中東に位置する架空の国の出身で、幼い頃に兵士をやっていました。当時の刹那はサーシェスという男に神を信じ込まされ、彼の教えに従って両親を殺害しています。その後生身で複数の機体と戦闘し、次々仲間達が亡くなっていくところを目にします。そこでようやく「この世界には神はいない」と悟るのです。

  窮地に陥った彼を救ったのは、一機のMS。ガンダムでした。

  以降、刹那の信仰対象は神からガンダムへと変わります。彼にとってのガンダムは、紛争を根絶するための存在。自身もガンダムのパイロットになった後、少年兵時代に自分を助けてくれたガンダムのように、ガンダムであらゆる紛争地帯へと介入していくのです。

  刹那の名台詞に「俺がガンダムだ」というものがあります。よくネタセリフ扱いをされるセリフですが、ガンダムへの想いや、世界から争いをなくす戦いへの覚悟を表した、深みのあるセリフでもあるのです。

■サーシェスとの再戦


 第1期6話にて、刹那は再び戦場でサーシェスと出くわします。かつて自分を洗脳し、両親を殺させ、仲間と祖国を奪った争いの種である男。ガンダムに乗るきっかけのひとつでもある人物との再会に、刹那は動揺しました。

 けれどその場では、味方の介入もあり、勝負はお預けに。

『機動戦士ガンダム00』戦争屋 アリー・アル・サーシェス という男
2016.12.13

■ そして舞台は再び中東へ


  サーシェスは戦争をビジネスに変える悪です。第1期12,13話にて、サーシェスは再び中東に現れ争いの種を蒔きます。

 ガンダム00の世界には、三機の軌道エレベーターが存在しています。これは全高5万kmにも達する構造物で、高度3万5千km付近には太陽光発電衛星が設置されています。これを用いた太陽光発電システムが、ガンダム00の世界での化石燃料に代わる主なエネルギー源となっています。

  一見科学の進んだ便利な世界のようですが、軌道エレベーターを持たず、化石燃料で稼いでいた中東にはたまったものではありません。

 収入源を奪われどんどん枯渇していく国を立て直すべく、他国の支援を受けようと改革派が立ち上がります。その一方で、異国を嫌い異文化を取り込むことを神に逆らう行為だと考える保守派も存在します。

 保守派のトップは、保守派がテロを起こさぬようあえて改革派に反対する立場を取り、保守派をまとめていました。

 けれど、サーシェスは中東で戦争によるビジネスをするべく、その保守派のトップを誘拐し改革派の仕業だと見せかけたのです。

 それにより、怒り狂った保守派の国民たちが各地でテロを起こすようになります。

 改革派の象徴でもある中東の新興国アザディスタン王国の第1皇女マリナ・イスマイールは、ユニオン軍の協力を得てテロから守られていました。けれど、自分が助かろうと国民は怒りを抱き、各地で次々死者が増えていく。マリナはそんな状況を嘆きます。

  一方で刹那は、内戦を止めるべくテロ現場に武力介入をします。が、結局多くの人間を死なせてしまい、「俺はガンダムになれない」と口にします。争いを止める存在であるガンダムのパイロットになったのに、かつての仲間と同じように戦争で死んでいく人々を助けられなかった。そんな複雑な心境から出たセリフです。

  ユニオン軍のパイロットであるグラハム・エーカーは、現地を調査している刹那に対し、疑問を投げかけます。

 この国の争いをどう思っているのか、と。

 この時グラハムは、刹那を地元の人間だと判断し、地元民の意見を求めたのだと思います。

 刹那は答えます。

 保守派にも改革派にも正義はあるけど、それで人は死んでいく、と。

 その後、憎きサーシェスが争いの元凶であると知った刹那は、彼のアジトで一戦交えます。サーシェスは撤退してしまいますが、無事に保守派のトップを救出し、国民達の前で返還することに成功するのです。

  その時に吐いた刹那のセリフは、「今度こそ、ガンダムに!」です。刹那の”争いを止めるためにガンダムに乗ったこと”に対する覚悟と想いを感じさせる、重いセリフなわけです。

 こうして保守派と改革派のトップは事態の真相を公表するわけですが、内戦は完全には止まらず、このエピソードが終了するわけです。

 ガンダム00を見たことがない方でも、もしかしたら「俺がガンダムだ」というセリフだけは知っているという方がいるかもしれません。

 一見するとネタのようなセリフですが、実は結構重いセリフなんです。

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(あにぶ編集部/星崎梓)

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