フロリダ州控訴裁判所、携帯電話パスコードは憲法による権利の対象外
2016年12月17日 17:00
米国・フロリダ州の控訴裁判所が、iPhoneのパスコードは合衆国憲法修正第5条の「自分に不利な証言を強制されない」権利の対象にならないという判断を示した(裁判所文書: PDF、Courthouse News Serviceの記事、Consumeristの記事、Softpediaの記事)。 被告は買い物をしている女性のスカートの中をiPhone 5で撮影した容疑で逮捕・起訴されているが、証拠は女性の証言と監視カメラの映像のみで、iPhone 5に保存された写真が直接的な証拠となる。当初、被告はiPhone 5の内容を調べることに同意したが、その後修正第5条を理由にパスコードの開示を拒否。1審では修正第5条によりパスコードを強制的に開示させることはできないとの判断が示されたため、州側が上訴していた。 控訴裁判所の意見書では、1988年の連邦最高裁判決で判事が書いた「金庫の鍵の引き渡しを強制することはできても、キーコンビネーションを強制的に開示させることはできない」という件がその後の裁判で繰り返し引用されていることを認めたうえで、鍵の引き渡しとキーコンビネーションの開示にどれほどの違いがあるのか疑問だと述べている。 また、その違いがテクノロジーが進歩しても有効であり続けるのかという点がさらに重要な疑問であると述べ、指紋をパスコードとして使用する人と比べて、数字や文字の組み合わせをパスコードとして使用する人の方がより強い保護を修正第5条から受けられるとは考えにくいとしている。結論としてパスコードの開示は証言ではなく、(証拠の)引き渡しに該当するとのことだ。指紋によるロック解除については、強制可能との判断が過去にも示されている。 スラドのコメントを読む | アップルセクション | 犯罪 | セキュリティ | 法廷 | 暗号 | アメリカ合衆国 | iPhone
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