『機動戦士ガンダム00』戦争屋アリー・アル・サーシェスという男

2016年12月15日 19:10

記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ

  ――こちとらボーナスがかかってんだ! 頂くぜ、ガンダム!

 アリー・アル・サーシェスとは、TVアニメ『機動戦士ガンダム00』に登場する敵キャラクターの一人です。他のキャラクターが敵味方問わず互いの正義をぶつけ合う中で、彼は争いを生み出す権化として完全悪のポジションを取り続けます。

■戦争屋にして最強の傭兵 アリー・アル・サーシェス


  ――こいつはとんでもねェ兵器だ、戦争のし甲斐がある。

  サーシェスは一つの組織に所属する兵士――というわけではありません。ある時は少年兵に神を信じ込ませ戦わせ、ある時はPMCという民間軍事会社に所属して戦争を商売道具として扱い、またある時は外人部隊として軍に潜り込み自ら戦いに赴く。そんな、争いの場に彼ありというようなキャラクターです。

 サーシェスが本格的に動いたのは、TVアニメ第1期の6話。サーシェスはガンダムに手を焼く軍の下で、MSに乗って戦闘をします。信じる正義があるわけでも、ガンダムに恨みがあるわけでもありません。ただ、ガンダムを鹵獲すればボーナスが貰えるというので、金のために戦うのです。

 その後もある地域の内戦を拡大化させたり、味方のふりして近づいて機体を強奪したりとやりたい放題。彼に殺害された名ありのキャラクターも多数いるほどです。

 けれど、大好きな戦争に加わるためには、スーツを着て目上の人に敬語を使ったりと、ただの脳筋や殺人者ではなく礼儀を理解している面もあります。礼儀を重んじる完全悪、そこが彼の魅力です。

■主人公たちとの因縁


  ――機体だけ残して消えちまいなァ!

  サーシェスは主要メンバー達と深い関わりを持っています。まず彼は、主人公である刹那を戦場に引き入れた本人であり、刹那にとって因縁の深い相手です。くわえて、刹那の仲間であるガンダムデュナメスのパイロット、ニール・ディランディの家族をテロで奪っています。第1期終盤ではニールとの一騎打ちも演じています。

 その後二期でも、仲間の仇として刹那達の前立ちはだかり、幾度となく苦しめてきます。

  『機動戦士ガンダム00』は、人と人がわかり合うための対話の物語です。そんな中で、決してわかり合うことの出来ない悪であるサーシェスは、まさに対話というテーマにとっての障害そのもの。

■並外れた操縦技術を持っている


  ――初めてなんでちと扱いづれェが、武装さえわかりゃあとは何とかなるってなァ!

  サーシェスは性能の劣った機体で何度もガンダムを追い詰め、奪った機体すらすぐさま使いこなす凄腕のパイロットです。トリッキーな動きと足技が得意で、射撃の腕もあります。戦争屋で傭兵でもあるだけに、生身での戦闘スキルもズバ抜けています。口だけではない実力派だからこそ、彼に魅了されるファンも多いのです。

 サーシェスは最後まで悪を貫き通し、主人公達とわかり合うことも、反省することもありません。互いの正義がぶつかり合う物語だからこそ、完全なる悪という彼の存在が輝くのです。

 そして、その悪っぷりと戦闘能力が突き抜けているからこそ、悪役としての魅力が増すのです。

 アリー・アル・サーシェスとは、『機動戦士ガンダム00』をある意味では象徴するキャラクターだと言えるでしょう。

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(あにぶ編集部/星崎梓)

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