ダークヒーロー モノアニメの面白さとは?

2016年12月11日 22:17

記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ

 『コードギアス』『DEATH NOTE』『バットマン』『機動戦士ガンダム00』のように、アニメ界では時々ダークヒーローを描いた作品がヒットします。今回は、ダークヒーローモノにしばしば見られる展開に触れつつ、ダークヒーローモノが面白い理由を紐解いていこうと思います。

■ダークヒーロー は国や世界が敵


 ダークヒーローモノではしばしば、主人公の敵が世間から見て正義に分類されたり、もしくは国や軍そのものが敵に回ることがあります。

 『コードギアス』では国家を相手に戦い、『DEATH NOTE』では警察が敵で、『機動戦士ガンダム00』でも世界が敵でした。主人公たちは信じる正義や理想のために戦うけれど、その手法が過激だったり、世界から見てテロと分類されるようなものだったりするせいで、本来正義とされるべき存在が敵として立ちはだかるのです。

 『DEATH NOTE』の主人公は、世直しのために悪人を殺すことで捌いていきます。そうすることによって救われる者もいるけれど、殺人には変わりない以上反発する者も現れます。

 『機動戦士ガンダム00』では紛争根絶のために、争いに武力で介入し、結果的にテロを巻き起こしたり、罪のない人間が犠牲になることもありました。テロの被害にあった者の中には、テロを起こした犯罪者ではなく、テロの原因になった主人公達を恨む者もいました。

 ゲームでも、『テイルズオブベルセリア』のように主人公達だけが正義側の問題点に気付いていて、国や軍を相手に戦う話が描かれているものがあります。しかし、一般市民達は自分達が信じる正義の抱える問題点を知らないから、主人公達を一方的に悪と決めつけてしまいます。

 たとえ世界中が敵に回ろうと果たしたい目的があるから、ストーリーに深みが出るのだと思います。そして、異なる考えや正義がぶつかるからこそ熱いドラマが生まれ、どちらの主義主張が正しいのか議論がかわされ、さらに物語が面白くなっていくのです。

■容赦なく殺す


 彼らには自分なりの正義があるから、説教など無意味です。ときには迷うこともあるかもしれません。それでも、目的のためには相手を殺すことも厭わない。それだけの覚悟を抱えているからこそ、主人公達の考えに納得できるだけの理由が生まれるのです。まあ中には、命を取らないダークヒーローもいますが。

■素顔や正体を隠す


 ダークヒーローの多くは世間から見て悪です。故に、主人公達は正体を隠し日常生活に溶け込んでいます。『DEATH NOTE』の夜神月とLのように、普段は対立している敵同士が表用の顔で対峙するシーンがなかなか熱いです。異なる顔を持つ人物同士の駆け引きもまた、ダークヒーローモノの面白さだと思います。

■民衆の手のひら返し


 ダークヒーローモノに出てくる民衆は、必ずしも主人公達を否定するわけではありません。たとえば、『バットマン』では主人公が犯罪者をこらしめていくところを見て、民衆が彼を支持し始めます。けれど、バットマンを狙って起きた犯罪が過激になっていくと、あっという間に手のひらを返してバットマンを責め始めます。

 このように、主人公達を持ち上げたり、叩いたりと、意見をころころと変えていく自分勝手な民衆に共感したり、イライラしたりするのもダークヒーローモノの面白さです。そういった状況の中で主人公達がどう動いていくのか、というのがポイントになるわけです。

■ダークヒーロー は幸せになれるとは限らない


 ダークヒーローモノの主人公は最後に報われるとは限りません。世の中のために戦っているとしても、彼らの多くは犯罪者です。故に、『DEATH NOTE』の夜神月のように、最後は警察や軍を相手に敗北し命を落としてしまうことがあります。中には、最後に裁かれることをも覚悟して、自分の命すら犠牲に戦う者もいます。

 ダークヒーローは一般的に見たら犯罪者である場合が多いため、彼らの主義主張に賛同できるかどうかは意見の分かれるところです。そして、必ずしも主人公達が勝って思わるとは限らないし、勝つにしても主人公が死なないとも限りません。だからこそ議論や考察のしがいがあり、先の展開が読みにくいのです。そこが、ダークヒーローモノの面白さではないかと思います。

人を狂わせる凶器のノート「 デスノート (DEATH NOTE) 」

(あにぶ編集部/星崎梓)

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