映画『人類遺産』世界70ヶ所以上の“廃墟”を圧倒的な映像美で
2016年12月11日 10:32
映画『人類遺産』が2017年2月より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開される。
かつて人間の手によって作られ利用され、やがて人間の都合で放置され朽ちてゆく世界中の「廃墟」。劇中に人物が登場しないという世界観の中で、撮影期間4年をかけて巡った、世界70ヶ所以上もの「廃墟」の数々が映し出される。
人々の健康を支えた病院や、高度成長期を支えたマンモス団地、壮大な建造物は朽ちて風が吹きすさび、子供たちの楽園だったテーマパークは、海の波に飲まれている。誰もいない風景に、まるでその場にいるかのような臨場感と不思議な生命力を感じさせられる。ポスタービジュアルでは、かつては木々が生い茂り人々が行き交っていた一本道を連想させる光景も切り取られており、美しい絵画のような独特な雰囲気を醸しだしている。
『人類遺産』は、美しい映像の中にも痛烈な社会批判や、現代社会に警鐘を鳴らすメッセージが込められた作品を撮り続ける、ニコラウス・ゲイハルター監督の最新作。これまで、映画『いのちの食べかた』では、一切のナレーション・音楽を排し「食糧」の生産現場を見せ、映画『眠れぬ夜の仕事図鑑』では世界の「夜に活動する人々」に焦点を当ててきた。
【作品詳細】
映画『人類遺産』
公開時期:2017年2月より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
製作・監督・撮影:ニコラウス・ゲイハルター
原題:『HOMO SAPIENS』