企業のメーンバンク全国トップは三菱東京 UFJ、8年連続で

2016年12月7日 11:54

 今年4月、東京TYフィナンシャルグループ(東京都民銀行・八千代銀行)が新銀行東京をグループに迎え、将来的な合併に向けた新体制を発足させた。一方、地方では2月、長崎県に基盤を持つ十八銀行とふくおかフィナンシャルグループ(福岡銀行・熊本銀行・親和銀行)が2017年4月をメドとする経営統合を発表、昨年10月に誕生した九州フィナンシャルグループ(肥後銀行・鹿児島銀行)に続き、九州エリアでの地銀再編も加速している。今後、他の地域でも進むとみられる再編の動きは、各金融機関と地元中小企業との関係性に変化を生じさせる可能性もあり、なかでもメーンバンクの果たす役割にこれまで以上に注目が集まっている。

 帝国データバンクは、2016年10月末時点の企業概要ファイル「COSMOS2」に収録されている企業(146 万社、特殊法人・個人事業主含む)がメーンバンクと認識している金融機関について抽出し、集計した。なお、同調査は2015年11 月に続き8回目。

 企業がメーンバンクとして認識している金融機関の全国トップは、「三菱東京 UFJ銀行」で企業数は10万2453社となり、2009年の調査開始以降8年連続のトップ。全国シェアは7.01%(前年比▲0.06pt)で、7年連続の減少となった。2位は「三井住友銀行」の7万9916社(シェア5.47%、前年比▲0.01pt)。3 位には「みずほ銀行」(6万3648社、シェア4.35%、前年比▲0.002pt)がランクイン、上位3行はいずれもシェアを落とした。

 上位の都市銀行に続き、5位となったのは第二地銀の「北洋銀行」で2万4911 社(シェア1.70%、前年比▲0.01pt)、6位に地銀の「千葉銀行」(2万979社、シェア1.43%、前年比▲0.0007pt)が入り、上位10行は調査開始以来、同じ顔ぶれとなっている。

 企業がメーンバンクとして認識している金融機関を業態別に見ると、「都市銀行(5行)」のシェアは20.06%と前年を0.07pt下回った。減少幅に変動はあるものの、調査開始以来、一貫して縮小傾向が続いている。一方、シェアを伸ばし続けているのが、「地方銀行」(シェア39.01%)で、前年を0.09pt 上回った。また、「第二地方銀行」(シェア10.80%、前年比+0.01pt)は3年ぶり、「信用金庫」(シェア23.23%、前年比+0.02pt)は7年ぶりにシェアが増加。「信用組合」(シェア2.51%、前年比▲0.02pt)は7年連続でシェア減少となった。

 各地域に本社を置く企業がメーンバンクとして認識している金融機関を見ると、関東・中部・近畿の3大都市圏で、2015年に続き首位のメガバンクのシェアが縮小。東北では「七十七銀行」(地域シェア13.12%、前年比▲0.09pt)が4 年連続でシェアを落としたほか、四国の「伊予銀行」(地域シェア21.79%、前年比▲0.07pt)がシェア減少に転じている。一方、北海道の「北洋銀行」(地域シェア34.79%、前年比+0.11pt)、北陸の「北陸銀行」(地域シェア15.32%、前年比+0.05pt)、中国の「広島銀行」(地域シェア15.54%、前年比+0.16pt)といった各地の金融機関はシェアを拡大させている。

 金融機関の再編で他を先行する九州では、昨年までトップの「西日本シティ銀行」(地域シェア11.92%、前年比▲0.02pt)を、「福岡銀行」(地域シェア11.99%、前年比+0.16pt)が上回り、首位が交代した。(編集担当:慶尾六郎)

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