過去最大66社が出展、ジャパン・ベストニット・セレクション2016

2016年12月6日 17:33

開会式。左から、松井高広JTBコミュニケーションデザイン取締役、千金楽健司アパレルウェブCEO、佐藤正樹JBKS実行委員会委員長、糟谷敏秀経済産業省製造産業局長、中島健一日本ニット工業組合連合会理事長、佐々木 幸二繊研新聞社社長、髙橋要ダイセン社長

 見本市「ジャパン・ベストニット・セレクション2016(Japan Best Knit Selection2016)」(主催:ジャパン・ベストニット・セレクション実行委員会/佐藤正樹委員長)がきょう6日、東京国際フォーラムで開幕した。国内ニット製造業の企業が、技術力や高品質をアピールするもので、製品から生地、生産技術までニットに関わる全カテゴリーを展示している。9回目を迎える今回は、東日本のニット産地企業が昨年11月まで東京・青山で開催していた「ジャパン イン イースト ニット展(Japan in East Knit展)」も参加。過去最高の66社が出展した。また、自社ブランドを持つ出展社が増加していることから、セレクトショップなど小売り店バイヤーの来場も強化。製品1点から受注できる旨を看板で掲げるブースも多く見られた。

 国内ニット市場は、中国をはじめアジア周辺諸国からの安価な輸入製品が占めており、ニット製品に係る輸入浸透率は2015年度で97%超という特異な状況(経産省・財務省統計)にある。開会式に出席した佐藤正樹委員長は、「アパレル業界の主役が、製造からSPA・小売りに移り、ものの価値よりブランディングがより重視されてきた。消費者がものづくりへのこだわりに再び関心を向けている今、ものづくりの素晴らしさをしっかりと打ち出したい」とコメント。糟谷敏秀経済産業省製造産業局長も、「ファッションに限らず、“いいもの”だけでは売れない時代。ソリューションやサプライチェーンを含めた付加価値の高いものづくりが大切」と語った。

 最終日のあす7日には、出展社の中から優れた技術・製品を表彰する「JBKSアワード」の発表・授賞式も行われる。同アワードは、ダブルフェイス生地を得意とするバーンズファクトリー(東京・板橋)が2014年から2年連続グランプリを受賞。商品や素材の開発力、デザイン性などニット業界の価値を高める力が総合的に判断される。

10時の開場とともにごった返す会場

ストレッチを効かせた芯地を用いたツイードアウターや、リバーシブルとしても活用できる裏地を使ったアウターなど、ニット製品の開発力を強めているウメダニット(新潟県五泉市)。2012年から始めた自社ブランド「ラッピンノット」も併せて提案しており、ODMから小売りまで対応できるのが強みだ。

ケンランド(山形市)は、自社ブランド「ケンランドリネン」「ケンランドヘンプ」を展示。日本では春夏に着るイメージの強い麻だが、同社では、通年アイテムとして着用できる麻のニット製品を展示。欧州リネン&ヘンプ連盟(CELC)の認可した高品質の麻を使用。百貨店などのポップアップストア出店などで顧客をつかんでいる。

20105年に準グランプリを受賞した奥山メリヤス(山形県寒河江市)は今回、自社ブランド「バトナー(BATONER)」のアーカイブを展示。品質の高さとブランドの認知度アップを図る。

米富繊維(山形県山辺町)は自社ブランド「コーヘン」と、“Made in Yonetomi”のタグを付したオリジナル製品を並べた。

佐藤繊維(山形県寒河江市)

丸安毛糸(東京都墨田区)は、はっ水性の高いニットを提案。製品の特徴がひと目でわかる展示。

中橋莫大小(東京都墨田区)は、自社のルームシューズブランド「メリッパ」で出展。クリスマスツリーをイメージした目を引くディスプレイ。

草木染めなどを提案するピーコンポ(東京都墨田区)。

大石メリヤス(東京都墨田区)は今治タオルを使用したルームウエアを展示。ギフト向け商材も提案する。

2年連続で「JBKSアワード」グランプリを受賞しているバーンズファクトリー(東京都板橋)

■「ジャパンベストニットセレクション2016」公式サイト  http://www.jbks.jp/

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