イタリアの債務問題が再び材料視されるか?

2016年12月6日 13:27


*13:27JST イタリアの債務問題が再び材料視されるか?
 5日の欧米市場ではユーロは主要通貨に対して全面高の展開となった。イタリア国民投票の結果を受けてレンツィ首相は辞意を表明し、2018年に予定されていた総選挙は2017年に実施される見通しとなった。その場合、既存の政治システムを厳しく批判している「五つ星運動」が政権奪取の可能性がある。

 「五つ星運動」への政権交代の可能性が高まった場合、イタリアの債務問題に対する市場の懸念も同時に高まるとの見方が出ている。5日のイタリア国債市場では10年債利回りが一時2.06%近辺まで上昇したが、債券市場で大きな混乱はなく、ユーロの反発を意識して10年国債利回りは1.98%近辺で引けている。

 現時点で資本市場などに大きな影響は出ていないが、市場関係者の間からは「イタリアの労働市場改革や銀行の不良債権処理が大幅に遅れるような事態に発展した場合、ユーロ売りが再び強まることは避けられない」、「イタリアでの国民投票の結果がユーロ圏諸国の政治動向にどのような影響を及ぼすのかを慎重に見極めたい」との声が聞かれている。《MK》

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