国内携帯電話出荷台数、16年3Qは前年比1.4%増の767万台

2016年12月3日 18:56

IT専門調査会社 IDC Japanは、国内携帯電話およびスマートフォン端末の2016年第3四半期(7月~9月)の出荷台数を発表した。

 それによると、2016年第3四半期の国内携帯電話出荷台数(スマートフォンと従来型携帯電話の合計)は、前年同期比1.4%増の767万台となり、5四半期続いた前年割れがようやく終わる形となった。しかしその増加幅は小さく、携帯電話市場の成長は鈍化傾向にあると言えるとしている。

 携帯電話市場の成長が鈍る中、アップルは389万台のiPhoneを出荷したが、ごく僅かながら前年同期を下回る(0.9%減)結果となった。それでも同社は50.7%のトップシェアを維持しており、強さは健在であるとしている。また、2位にはNTTドコモ、auKDDI、ソフトバンクの3社に幅広いラインアップで多くのモデルを提供したシャープが入り、「らくらくスマートフォン」でシニア層を中心とした根強い人気を得ている富士通が第3位となっている。

 また、スマートフォンの出荷台数は703万台で、前年同期比18.8%増のプラス成長となった。ベンダー別シェアにおいては、アップルが55.3%のシェア、以下の順位については、携帯電話出荷と同様、第2位にシャープがランクインし、「Xperia X Performance」が好調だったソニーが第3位になった。

 「国内スマートフォン市場は成熟期を迎え、成長に鈍化が見られるが、より豊かなユーザー体験を提供するためのアプリケーション市場が今後もスマートフォン市場の成長を促すドライバーである可能性は高い。Pokemon GOに代表されるAR(拡張現実)のデバイス、今後Android陣営から本格的に投入されるDaydream-ready端末によるVRのプラットフォーム、そしてApple Watchに代表されるウェアラブルデバイスやIoT(Internet of Things)の大量の情報を処理するハブとして、今後もスマートフォンが果たす役割は拡大こそすれ縮小することはない」とIDC Japan PC,携帯電話&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの菅原啓氏は述べている。さらに「このように多彩な最新機能とユーザー体験をシームレスな形で統一されたプラットフォームを通じて提供するスマートフォンは、まさしく我々が呼ぶところのデジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)のキーデバイスとなるであろう」としている。(編集担当:慶尾六郎)

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