ベンツ、オリジナルのラーメンを開発 12月25日まで期間限定販売

2016年12月1日 17:31

 メルセデス・ベンツ日本(以下、ベンツ)は、ベンツとしては初の試みとなる自社オリジナルの「ラーメン」を開発した。11月30日から12月25日までの期間限定で、東京・六本木のブランド発信拠点Mercedes-Benz Connectionにて提供する。〝「海」の流星麺~西洋魚介スープと焼きおにぎり~”と〝「陸」の流星麺~鴨の生ハムスープとフォアグラバケット~”の2種類があり、価格はいずれも1,200円(税込)。

 言うまでもないが、ラーメンは麺の一種である。麺は、古代中国で発明されたと考えられている。実物の出土例としては、中国・青海省喇家遺跡の、紀元前2000年頃のものが最古である。これは直径が3ミリメートル、長さ50センチメートルほど、材料は小麦ではなく粟や黍であるが、太さが一定で色は黄色く、外見的には現代のラーメンとさほど変わるところがない。

 製麺の技術的課題の第一歩は製粉である。どの穀物を用いるにせよ粉にしなければ麺にはできない。喇家遺跡の時代、すなわち新石器時代前期の中国では、すり臼と呼ばれるプリミティブな臼が広く用いられていた。しかしこのすり臼はのちに何故か使われなくなり、それに伴って麺の製法も一時衰退もしくは失われたのではないかと考えられている。麺が中国において再興するのは紀元前1000年頃、西アジアで発明された回転式石臼が中国に伝来して以降のことだ。

 その後、長い歴史を経て、麺食の文化が庶民にまで広まったのは唐の時代、7世紀頃のことである。この頃、二年三毛作の普及によって小麦の生産量が飛躍的に増し、また水車が登場して製粉が容易になったためだ。歴史を紐解けば、ラーメンの普及一つとっても相応の技術史が背景にあるのである。

 一方、ベンツの主力商品である(ガソリン式の)自動車は1870年に発明された。そして1876年にゴットリープ・ダイムラー氏が、1885年にカール・ベンツ氏がこれに重要な改良を加え、現在のガソリン自動車の原型を構築した。ダイムラー氏とベンツ氏それぞれの事業は1926年に合併し、幾度かの社名変更を経て今日に至っている。

 以上の経緯からお分かりいただけるかと思うが、ベンツとラーメンの間に、歴史的繋がりは何もない。

 「withnews」の取材にベンツの担当者が答えたところによると、今回このような(自動車企業としては)ユニークな商品展開を打ち出したのは、高級感から敬遠されやすい同社が、ラーメンという親しみやすい食材を提供することで足を運んでもらいやすくするため、とのことである。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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