ONEPIECE、16年の中国邦画ベスト興収達成、今年の邦画中国成績は?
2016年11月29日 21:20
記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ
2016年11月11日に中国上映を果たした「ONEPIECE FILM GOLD」が見事、興行収入1.06億人民元を突破し、2016年に中国で公開された邦画作品の中でベスト1位の興行収入記録に到達しました。15~17億円規模のヒット作です。
ただ、この額で見てもすごいのかすごくないのかわかりにくいもの。中国って日本よりももっと人口がいるならもっと高くてもいいんじゃない?とか、一方で、入場料は日本程しない500円ぐらいでも見れるし高い方なのでは?とも考えられたりちょっとぼんやり。
というわけで、
邦画の中国成績に関して「すごいのか、すごくないのか」現状の成績をまとめました。
■今年中国上映した邦画ランキング
今年中国で公開される邦画作品は、まだこれから上映が控えている作品を含めてアニメ映画9作、実写作品2作品の計11作品。圧倒的にアニメ映画がほとんどな状態です。
興行成績順に並べると以下の通りです。(人民元)
1.06億 ONEPIECE FILM GOLD
1.04億 ドラえもん新のび太の日本誕生
1.03億 BORUTO-NARUTO THE MOVIE-
4800万 寄生獣
3700万 聖闘士星矢Legend of Sanctuary
3700万 ビリギャル
2500万 ちびまる子ちゃんイタリアから来た少年
2200万 クレヨンしんちゃん爆睡!ユメミーワールド大突撃
1000万 ドラゴンボールZ復活のF
? 名探偵コナン純黒の悪夢
? 君の名は。
昨年の邦画上映作品は「STANDBYMEドラえもん」と「名探偵コナン業火の向日葵」の2作品だけだったので、去年と比較すると今年は圧倒的に上映作が増えています。中国でも馴染み深いアニメ作品は、大方今年上映を果たすことができました。かといって別に「寄生獣」も中国で馴染み深い作品の一つというほどの人気ではなく、映像が評価されての上映かと思われます。
■邦画の興行成績はすごいのか、すごくないのか。
では、これらの今年の邦画作品の成績はすごいのか、すごくないのかについて。
簡潔に言えば(そんなに)すごくないです。
わざわざ括弧付けで(そんなに)と表現したのは、大コケしたわけでもないので、ヒット作品と表現しても間違いではないのだけど、上には上が居ることを考えると、単純に喜ぶだけでいいのかどうか、とも思うところ。
具体的に言えば邦画NO.1に君臨した「ONEPIECE FILM GOLD」は、2016年の中国興行ランキングで言えば現在70位台。中国市場ではONEPIECE以上の興行収入作品が今年70本以上出ているということなのです。
現時点(11/25時点)の2016年中国映画興行収入ランキング上位は下記の通り。(人民元)
1位 33.9億 人魚姫
2位 15.3億 ズートピア
3位 14.7億 ウォークラフト
4位 12.4億 シビルウォー/キャプテン・アメリカ
5位 12億 西遊記 孫悟空VS白骨夫人
6位 11.8億 湄公河行動
7位 11.1億 澳門風雲
8位 10億 盗墓筆記
9位 10億 カンフーパンダ3
10位 9億 ジャングルブック
来春日本でも公開予定の「少林サッカー」のシャウ・シンチー監督最新作「人魚姫」は2位にダブルスコアという桁違いの成績を収めている状態です。といっても2位以下もONEPIECEと比べたら驚くべき数字。
今年ハリウッドに追いつけ追い越せで、映画市場を世界一にまで拡大させようとしている中国は、映画界でも捨て置けない存在となっています。上位に並ぶ作品からは、日本との趣向が違うんだなぁ、と感じさせる一方で、そこですらしっかり好成績を収めるディズニーは見事です。ONEPIECE、ドラえもん、聖闘士星矢など中国でも知名度の高い作品を以ってしても容易に届くものではない・・・という現実を痛感します。
■中国市場への今後に向けて
忘れちゃいけないのが昨年公開の「STAND BY ME ドラえもん」が爆発的ヒットとなったこと。「STAND BY ME ドラえもん」の興行収入は5億人民元で、中国にて昨年の年間24位の成績でした。欲を言えば一桁順位を目指したいところですが、それでも十分高いです。本作のような前例も踏まえると、日本のキャラクターのポテンシャルを、今年の映画の興行収入だけで推し量るのも乱暴なやり方ではあります。
市場調査や公告戦略・・・もしくは運(同時期上映作)など、今年の上映作品もやり方次第では今以上、あわよくば上位興行収入記録も夢ではなかったかもしれません。
昨今はハリウッド映画でも多くの作品で、中国を取り上げたり、舞台設定に設けたり、制作自体を中国と協力したりと、中国市場を意識した作品が増えてきています。中国側のお金が入っているため、やむなく・・・と思えるような作品もありますが、中国の力が強くなっていることには変わりありません。
ネガティブにも捉えられる状況ではありますが、日本映画も国内だけでプラスになることだけ考えず、案外こういった市場に目を向けた制作を進めてみることで、思わぬ日本以上の大きな成功や収益を収める可能性もあるでしょう。
そして、公開が来月12月2日に控える「君の名は。」にも注目。
ONEPIECEといった漫画やTVアニメで活躍する作品とは違い、オリジナル作品として中国上陸を果たす本作が、果たしてどういった興行結果を残すのかは気になります。
中国では「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」や「モアナと伝説の海」といった大作が上映を開始した直後で、同日公開作品にはティム・バートン監督の最新作「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」の上映もあるなど、激戦状態。逆境が多い中で、しっかり「君の名は。」も注目作とされているのも事実です。中国でも爆発的なヒットになって欲しいところです。
ONEPIECEの興行収入記録更新から、強引に今年の中国市場における総括的なまとめ記事のようになりましたが、2016年はまだもうひと月残っています。まだまだ日本勢の勝負は終わってない!今回の記事を参考に、今後もあるであろう「君の名は。」の中国展開の続報などを見聞きしていただくと面白いかと思います。
以上、中国での今年の邦画の状況でした。
ちなみに
この記事で「名探偵コナン純黒の悪夢」にノータッチなのは、去年の映画が約8000万人民元の興行収入だったので、今年もそのあたりかな?という勝手な憶測で割愛しました。コナンファンの皆様、すみません。本作は11月25日より中国興行を頑張っておられる最中です。
興行収入データはMtime(http://www.mtime.com/)様を参考とさせていただきました。
「ONEPIECE FILM GOLD」の中国上映がスタート!初週末6800万人民元の大ヒット!
(あにぶ編集部/ネジムラ)
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