【中国の視点】トランプ氏のTPP離脱発言、アベノミクスへの影響は限定的
2016年11月25日 09:05
*09:05JST 【中国の視点】トランプ氏のTPP離脱発言、アベノミクスへの影響は限定的
トランプ米次期大統領はこのほど、環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を再び表明した。米国のTPP離脱は安倍政権が進めているアベノミクス(大胆な金融 政策・機動的な財政政策・民間投資を喚起する成長戦略)に打撃を与えるとの見方は日本国内で広がっている。
一方、中国の専門家は、米国のTPP離脱がアベノミクスに与える影響が限定的だとの見方を示した。日本政府はTPPの加入が日本に5000億円の投資効果をもたらすほか、日本の輸出を2兆6000億円拡大させると予測した。ただ、同時にTPPの加入に伴い、2兆9000億円の輸入を増加させるため、貿易黒字の拡大には寄与できないと指摘。米国によるTPPの離脱について、経済への影響よりも政治への影響が大きいとの見解を示した。
専門家は、日本政府による異次元の金融緩和の実施に加え、日本銀行が過去に例のないマイナス金利政策まで導入したと指摘。これにもかかわらず、日銀の黒田総裁は10月、2%のインフレ目標の実現時期について、2018年へのずれ込みを示唆した。これは事実上総裁の在任期間内での目標実現に対する放棄でもあると理解されている。専門家は、異次元の金融緩和のみに頼っていることがアベノミクスの失敗の主因だと分析した。《ZN》