中国で大ヒットの「西遊記之大聖帰来」、日本語版監修は宮崎吾朗監督

2016年11月22日 09:09

記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ

 宮崎吾朗監督が2017年夏公開予定となっている中国アニメ映画の日本版監修を務めます。

 「ゲド戦記」「コクリコ坂」などで知られる同監督。監督が日本版監修する作品が「 西遊記之大聖帰来 」(イベント上映時の邦題:西遊記 ヒーロー・イズ・バック)です。中国ではかなりの大ヒット映画ではある一方、日本での知名度は皆無。

 筆者は運良く中国で鑑賞をしてきましたので、今回はそんな映画「西遊記之大聖帰来」がどんな作品かを紹介します。この作品、結構スゴイですよ。

■数字で分かる「 西遊記之大聖帰来 」


 本作「西遊記之大聖帰来」は2015年に中国で公開された中国アニメ映画。上映開始と共に爆発的な集客となりまして、最終的に9.56億人民元!日本円にして約192億円という興行収入記録を獲得しました。

 ・・・といっても、人口めっちゃ多いし、中国映画の興行収入の相場がわからないのでどれくらいスゴイのかも伝わりにくいのですが、この数字は2015年の洋画含む中国の興行収入ランキングでは10位、当時の中国の歴代アニメ映画興行収入ではぶっちぎりの1位の数字でした。

 残念ながら今年、「カンフーパンダ3」と「ズートピア」にこの記録を抜かれてしまいましたが、現在でも洋画含む中国大陸における歴代映画興行収入ランキングでいけば27位。アニメ作品としては歴代3位。中国アニメ映画に限って言えば断トツの1位作品となっております。

■「西遊記之大聖帰来」の内容


 本作の内容はタイトルの通り、西遊記がモチーフの3DCGアニメ映画。中国では非常にメジャーな物語であり、毎年(!)何作も関連作品が上映されます。この映画もそんな一作。

 ただし、西遊記の物語をなぞるワケではなく、逸話として西遊記の伝説が存在する世界で、孤児の少年が孫悟空と出会い、二人の絆が深まっていく物語を描いています。ギャグ有り、アクション有り、感動的なシーン有りの娯楽作品に仕上がっており、大人から子どもまで楽しめる映画です。

 中でもアクションシーンは特に必見。孫悟空のダイナミックな動きがこれでもかと楽しめるバトルや、ライドアトラクションの様な体験型のカメラワークで崖を滑り落ちるシーンなどは爽快。中国上映時には3D上映も行われていまして、冒頭の孫悟空のマフラーがたなびくシーンのインパクトは大きかったです。

 また、3DCGアニメとは思えない美麗な風景描写にも注目。中国といえば粗めなCG作品が未だに新作上映される国ではあるものの、本作は日本でもこの域の物は作れるのか?と疑問に思うほどの高品質な映像美に驚かされました。

■日本上陸から宮崎吾朗監督が務めるまで


 そしてそんな「西遊記之大聖帰来」が日本上陸したのは今年の春。

 東京アニメアワードフェスティバル2016の長編コンペノミネート作品として登場。上映会には多くのお客さんが集まり、コンペディションの結果は惜しくもグランプリを逃したものの優秀賞を受賞することとなりました。

 このイベントで高評価を得たこともあり、7月31日に東京藝術大学主催の日中韓学生アニメーションフェスティバル2016でも映画の上映会が行われるに至りました。そして、まさにこのトークイベントが開催された際、監督のティエン・シャオポン監督と宮崎吾朗監督がゲストで登壇。その縁で、ティエン監督から宮崎監督は直接依頼を受けて、今回の日本版監修を宮崎吾朗監督が担当することになったそうです。

 映画「西遊記之大聖帰来」は評価こそ高いものの、まだまだ知名度はそこそこ。日本展開について、興行を大きく左右しかねないカードが今回の「宮崎吾朗監督の日本語監修役就任」となりそうです。宮崎吾朗監督の味付けがどういった効果を生むのか非常に気になるところです。

 2017年の春頃公開予定とされていた「西遊記之大聖帰来」ですが、宮崎吾朗監督の日本版監修のニュースと共に予定が夏頃に移行。少し公開予定が延びてしまったものの、今回の日本版の情報はポジティブな情報とも言えます。

 どれぐらいの上映規模となるかはまだわかりませんが、来年の注目映画興行の一つであるのは確実ですので、今後の続報に注目です。本作の行方、是非気にしておいて下さいね。

 アクセスブライト公式サイト「西遊記之大聖帰来」紹介ページ:http://accessbright.com/monkey_king

(あにぶ編集部/ネジムラ)

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