15年度の人材派遣業市場、前年度比5.0%増の4兆1020億円
2016年11月21日 09:00
矢野経済研究所では、国内人材ビジネス市場の調査を実施した。調査期間は2016年7月~10月、調査対象はオフィスワークを中心とした人材派遣事業者、ホワイトカラー職種の人材紹介事業者、再就職支援事業者、技術者派遣ビジネス事業者、営業・販売支援ビジネス事業者、求人情報サービス事業者、製造派遣・請負ビジネス事業者、医療人材サービス事業者、グローバル人材紹介事業者等。調査方法は同社専門研究員による直接面談、郵送によるヒアリング、ならびに文献調査を併用した。
それによると、2015年度の人材派遣業市場規模は、前年度比105.0%の4兆 1,020億円であった。前年度に引き続き人材派遣需要が拡大し、2年連続のプラス成長を確保した。全般的に、サービス需要に対応した十分な供給量(派遣スタッフ数)が確保できない状況下にあるが、業種により供給量が需要を上回る状況も散見されるようになっており、伸び率は前年度と比べて縮小している。2016 年度もこの状況が続いているため、増加幅は2014年度から徐々に緩やかになっていくとみて、2016年度の同市場規模を前年度比102.0%の4兆1,840億円と予測している。
2015年度の人材紹介業市場規模は、前年度比113.5%の2,100億円と推計した。景気の回復傾向の継続、企業による人材需要の増大や紹介手数料単価の上昇などにより、同市場規模は2桁増の伸び率となり、2010年度以降6年連続で拡大を続けている。2016年度も人材紹介需要が高水準で継続していることから、同市場規模は前年度比 109.5%の 2,300 億円と、引き続き拡大を予測している。
2015年度のグローバル人材紹介業市場は、前年度比106.2%の257億円と推計した。市場は成長基調が続いているものの、採用コンサルタントの不足や成約までの期間の長期化を背景に、2013年度、2014年度と続いた2桁成長から伸び率は鈍化している。2016年度の同市場規模は、前年度と同様の傾向がみられることから前年度比 103.5%の266億円を予測している。(編集担当:慶尾六郎)