「君の名は。」「ルドルフとイッパイアッテナ」聖地巡礼で岐阜が熱い
2016年11月21日 19:37
岐阜県が今、映画の舞台を訪れる「聖地巡礼」で盛り上がっている。飛騨市が舞台になっている「君の名は。」、主人公が岐阜市出身で金華山、岐阜城、長良川といった市内の名所が登場する「ルドルフとイッパイアッテナ」、そして大垣市がモデルになっている「聲の形」の3作品が今年公開され、多くのファンが岐阜県に訪れている。
県内のシンクタンク十六総合研究所は、聖地巡礼に訪れた観光客は103万人と推計。経済効果は253億円に上り、県内のGDPを0.19%押し上げる効果があると発表した。岐阜県の調査では観光客の8割は県内を含めた東海地方から訪れているが、巡礼者に関しては32.4%が関東地方から、22.7%が近畿地方から訪れていることがわかり、遠方からも観光客が集まっている傾向がある。
岐阜県高山市にある濃尾乗合自動車では、「君の名は。」の舞台となっている場所を巡る観光タクシーの運行を開始した他、東京への高速バスも増便を計画しており、聖地巡礼に訪れる観光客を囲い込む戦略をとっている。
また飛騨市では10月14日、「君の名は。」の展覧会を来年1~2月に市内で開催する計画をしている。岐阜市では「ルドルフとイッパイアッテナ」に登場するルドルフが岐阜市出身という設定であることから、8月に特別住民票を発行して話題となった。
官民ともに聖地巡礼をチャンスと捉え、様々な企画を用意している。これまで県内の観光資源は世界遺産である白川郷や、高山市の古い町並み、伝統的な猟法である鵜飼などが知られていた。今年になって映画の舞台という新しい観光の目玉ができて、県内では岐阜の知名度アップ、地域活性化に期待が寄せられている。
更に「君の名は。」は台湾や香港、タイでも公開が始まっており、いずれも週末映画ランキングで1位になるというブームを引き起こしている。今後イギリス、オーストラリア、中国、マレーシア、フランス、韓国でも公開される予定だ。日本国内だけでなく、海外からも聖地巡礼者を取り込める可能性もあり、ますます経済効果が高まることが期待される。(編集担当:久保田雄城)