TPP国会承認の対応を問題視、民進・野田幹事長
2016年11月15日 17:28
民進党の野田佳彦幹事長は次期米国大統領のトランプ氏が「TPP協定に、繰り返し明確に否定している」とし、政府・与党のTPP承認を国会で急ぐ姿勢に「TPPが米議会で早期に承認される可能性がゼロに近いのだから、茶番としか言いようがない」と改めて、14日のブログでも対応を問題視した。記者会見でも同趣旨のことを話していた。
野田幹事長はブログで「来年1月20日の大統領就任日にTPP脱退を宣言するとまで言い切っているトランプ氏に、いきなり喧嘩を売っているようなもの。TPPについては、衆院で継続審議にとどめ、来年の通常国会で対応を決めるべきだったのではないか」と疑問を投げた。
また、電通女性社員が過労で自殺した案件に触れ「厚労省が電通の強制捜査に踏み切ったのは、(過労で自殺に追い込まれた社員の件だけでなく)複数の社員が違法な長時間労働を強いられていた可能性が高いと判断したためとみられる。また、勤務記録の改ざんによる残業時間の過少申告を上司が指示していた疑いが強いこと、度重なる是正勧告でも改善が進まなかったことなども、書類送検の対象となる『重大・悪質』なケースとみなされたのでしょう」と書き込んだ。
そのうえで「政府も長時間労働の解消を政権の重要課題として挙げているが、今国会に政府が提出している『残業代ゼロ法案』は逆に長時間労働を助長する法案」と指摘。
「民進党を中心に野党4党共同提出の『長時間労働規制法案』は(1)過労死ゼロ、(2)ワークライフバランスの実現、(3)労働生産性向上の3つを目的としており、労働時間の延長の上限規制、休息時間の付与の義務化、労働時間管理簿の義務付けなど、実効性のある労働時間の規制策を盛り込んでいる」とし、この法案を「速やかに審議すべきで、審議すべき優先順位が間違っている」と発信した。(編集担当:森高龍二)