スバルにオカリン、ほむら、繰り返しを戦うキャラクターは何故胸を打つ?

2016年11月13日 10:27

記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ

 突然ですが皆さん、私はループモノがとても好きです。

 何故か?と問われれば答えは簡単で、「見ていると勇気が湧き、熱い気持ちになるから」です。皆さんの中にも、ループモノというジャンルが好きな方は多いのではないかと思います。

 ですが、「数多ある物語のジャンルの中で、ループモノが一際大きな魅力を持っているのは何故なのか?」そう思われた事はないでしょうか?

 このコラムでは、その秘密、ループモノの感動の源泉を紐解いて行きたいと思います。

■ループモノのストーリーは、様々な物語に使われている手法


 ループモノの古くは、イギリス陸軍の兵法書「愚者の渡しの防御」などが挙げられますが、それ以外にもループモノは媒体を問わず、様々な物語に使われている手法です。映画ならば、「恋はデ・ジャブ」「バタフライ・エフェクト」など、アニメならば、「シュタゲ」「リゼロ」「まどマギ」などがループモノであると言えるでしょう。

 多くのループモノの中で、主人公達は受け入れ難い出来事や未来を知った時、それに抗うための手段としてループを用います。

 ですが、同じ時間軸を幾度体験しようとも、彼らが望む未来や世界には中々たどり着く事が出来ない。これもお決まりのパターンの一つです。

 それには勿論、「作劇上、トライ&エラーを繰り返した方が後半が燃えるから」という物語を作る上での都合も含まれているのですが、それ以上に、「もっと基本的で、大事な道徳観」がそこには隠されているのです。

 それはつまり、「一度起きてしまった事や、起こると決まってしまった事を、我欲のために覆すことは出来ない」という考え方です。

 本来ならば、人生は一度きりで失敗してもやり直すことは出来ませんし、失敗が無かった事になる事もありません。物語はあくまで人の夢を詰め込んだものですが、その中でもやはりこうした原則は守られるべきなのです。

 ですが、主人公達の多くは未来を変える事に成功するのがお決まりです。

 全て望み通りでは無いかも知れないし、取りこぼしてしまう物もありますが、それでも多くの結末はハッピーエンドに繋がります。

 それは何故かと言えば、主人公達が運命や、宿命、因果などに逆らい、望む未来を掴む過程で、十分な等価交換を果たすからです。

■望む未来と等価なモノ、それはすなわち、「主人公達の苦悩」です


 ループモノの主人公達の多くは、恋人や友人など、大切な人に降りかかる災厄を防ぐ為にループの中を戦いますが、彼らはその過程で、「最悪の結末」を幾度も体験する事になるのです。

 最愛の人々の死、自らの死、そうした極限的な体験を数え切れない程に味わい、心が壊れてしまいそうになる事もあります。

 ですが、それでも彼らは諦めません。何故ならば、「その苦しみこそが、望む未来を得るために払うべき代償」だからです。

 つまり、「本来訪れる未来で、多くの人が味わう事になる苦痛、その全てをループの中で主人公が味わい記憶する」、それが世界を改変する為の代償なのです。

 救いたい人、守りたい人を、己の無力さから死なせてしまうなんて体験は、たった一度でも想像を絶する苦痛を感じるものでしょう。

 その苦痛に何度耐えてでもと、強く未来を望む姿こそが、私達観客に「諦めない強さや勇気」を学ばせてくれるのです。

 私達も生きる上で、多くの出来事を体験します。

 辛い事や悲しい事、生きる気力を失くしてしまうような事もあるかもしれません。ですが、そんな時こそ、ループモノの主人公を思い出して見ましょう。

 私達は彼らのように、起きてしまった出来事を変える事は出来ませんが、その諦めない心を見習って生きる事は出来ます。

 どんな時でも、彼らのように、強い意志を持って幸福を目指して生きていければ、自ずと未来は開けてくるのではないか?と私は思います。

ループものアニメまとめ その1 バブル前夜の『ドラえもん』『うる星やつら』

(あにぶ編集部/クールハンドこっさん)

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