新興市場見通し:そーせいなどが決算発表、その後はテーマ株物色が活発化か

2016年11月12日 15:14


*15:14JST 新興市場見通し:そーせいなどが決算発表、その後はテーマ株物色が活発化か
先週の新興市場は、米大統領選挙を巡り日経平均と同様に波乱の展開となった。11月9日の取引では、開票が進み共和党のドナルド・トランプ氏勝利の公算が強まると、新興市場も全面安の展開となった。マザーズ指数は一時800ptを割り込む場面があった。しかし、選挙結果を受けた米国市場で株価が大きく上昇すると、翌10日にはマザーズ指数も急反発し、前日の下落分をほぼ埋める形となった。週末は利益確定売りや戻り売りで軟調に推移した。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.8%であったのに対して、マザーズ指数は-1.3%、日経ジャスダック平均は+0.36%だった。

個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で2.5%安、サイバーダイン<7779>が同3.2%安と軟調だった一方、そーせいグループ<4565>は同0.6%高となった。5月高値の信用期日が到来したが、決算発表への期待が支えとなったようだ。ミクシィの上期決算は市場予想を下回ったが、自社株買いの実施を同時に発表している。売買代金上位ではイグニス<3689>やストライク<6196>が大幅高となった。イグニスは前期の利益上振れやVR(仮想現実)領域進出が材料視された。反面、物色一巡となったリファインバース<6531>や今期の利益予想非開示などが嫌気されたフリークアウト<6094>が売られた。ジャスダック主力では、今期業績予想を上方修正した日本マクドナルドHD<2702>が同2.3%高と堅調だった。一方、前期実績が市場予想を下回ったセプテーニ・HD<4293>は同20.2%安と急落。売買代金上位では、フューチャーベンチャーキャピタル<8462>などのZMP関連とされる銘柄が一部報道を受けて動意を見せたが、週末にかけて売りに押された。また、エイチアンドエフ<6163>やユニマット リタイアメント・コミュニティ<9707>が週間のジャスダック上昇率上位、アサカ理研<5724>やデジタルデザイン<4764>が下落率上位だった。

今週の新興市場では、11月14日までに7-9月期の決算発表が一巡し、前半は業績動向を受けた売買が中心となりそうだ。その後は年末年始にかけて例年どおりテーマ株物色が活発になるとの見方が多い。足元で関心が向かっているトランプ次期米大統領の政策に絡んだ銘柄やロシア関連とされる銘柄、ZMP関連銘柄などの動向を注視したい。

今週は11月14日にマイネット<3928>、アカツキ<3932>、そーせいグループ、ブランジスタ<6176>、リファインバース、サイバーダインなどが決算発表を予定している。注目されるそーせいグループは、契約一時金の受領等により第1四半期を営業利益129億円(前年同期は10億円の赤字)で通過している。ただ、市場予想で17年3月期の通期営業利益は会社計画と同水準の170億円強と見込まれており、上期も大きなサプライズは期待しにくいか。

IPO関連では、11月18日にフィル・カンパニー<3267>がマザーズへ新規上場する。公開規模が小さく、ユニークな事業内容などが評価されており、強い初値形成が期待される。なお、先週はキャリアインデックス<6538>(12月14日、マザーズ)、MS-Japan<6539>(12月15日、マザーズ)、シンシア<7782>(12月16日、マザーズ)の新規上場が発表されている。また、東証が11月中にも自動運転車開発ベンチャーとして知られるZMPの上場を承認する公算と複数のメディアが伝えている。《FA》

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