桃太郎電鉄、最新作で金太郎や浦島太郎のデザインが変化
2016年11月12日 11:53
記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ
ニンテンドー3DSにて12月22日に「桃太郎電鉄2017たちあがれ日本!!」が発売となる。コンシューマーゲームとしては2010年にニンテンドーDSにて発売された「桃太郎電鉄WORLD」以来の久しぶりの発売となり、ファンとしては待望の新作となっている。
ここまで書くと、アニメコラムサイトとしてはなぜゲームの話を・・・となるが、そもそもこの“桃太郎シリーズ”はアニメにもゆかりがあったりするのだ。
■桃太郎電鉄 はパロディ作品だった!?
そもそもこの「桃太郎電鉄」シリーズには元ネタとも言えるゲームが別にある。それがPCエンジンやファミリーコンピュータなどで販売された「桃太郎伝説」だ。「桃太郎電鉄」は本作を文字って作られた作品だったがいつしか、本家よりも息の長い作品となった。
「桃太郎伝説」は「桃太郎電鉄」同様、監督はさくまあきら氏、イラストは土居孝幸氏が務め、桃太郎のエピソードを基に、様々なおとぎ話のキャラクターが登場する和風RPGとなっている。今となっては逆に「桃太郎電鉄」に登場するキャラクターで遊べるRPGとも言えるかもしれない。
■アニメ化していた「桃太郎伝説」!
そんな「桃太郎伝説」は今となっては影に隠れるシリーズとなっているが、かつてはTVアニメ化もされていた作品ということはご存知だろうか。1989年に「桃太郎伝説PEACHBOY LEGEND」が、1990年からはその続編「PEACH COMMAND 新桃太郎伝説」が放送された。2シリーズ全体でおよそ1年半。玩具展開なども行われた作品である。
と、いっても本作はゲーム版とはストーリーも異なり、おとぎ話の世界が入り乱れる世界観とキャラクターデザイン以外はアニメ独自の展開を見せていた。このアニメでは桃太郎や金太郎、浦島太郎達がアーマーを身に付ける変身をして、SDガンダムのような可愛らしさとカッコ良さを兼ね備えた状態になるのが特徴的だ(当時はプラモデル化も果たしている。)。
また、今のゲームでは見かけない龍神丸といったキャラクターも登場している。それぞれの性格は「桃太郎伝説PEACHBOY LEGEND」のエンディングテーマ、『ピーチボーイブギウギ』でキャラクター自身が歌っており、ただでさえ楽しい曲なのだがこれを聞くだけで桃太郎や金太郎がどんなキャラクター造形なのかも分かる(金太郎に関してはクマに歌わせる様がまさに金太郎らしい)。
前述のとおり、キャラクターデザインはゲーム版に準拠したものとなっており、土居孝幸氏が原案の、「桃太郎電鉄」に馴染みのある方には面影をすぐに感じられる桃太郎や金太郎、さらには猿やキジなどのお供の動物達の姿にも見覚えがあるはずだ。
■デザイン一新!・・・であの金太郎や浦島太郎が!
そんな「桃太郎電鉄」の最新作「桃太郎電鉄2017たちあがれ日本!!」で驚きなのが、多くのキャラクターデザインが新しくなっている点だ。桃太郎、貧乏神の姿は昔ながらの姿なのだが、金太郎や浦島太郎、キングボンビーに夜叉姫まで、さらには犬や猿、キジまでもがキャラクターデザインをリニューアルしている。
アニメに馴染みがあった身としては、ゲーム「桃太郎電鉄」内でプレイヤーへの連絡をリポートしてくれる金太郎や浦島太郎は、完全にアニメの声が脳内で再生されていた(実際はそういったボイスはついてない)。だが、今回から新たに登場する金太郎達はすっかり別人になってしまっており、例え何かセリフが用意されていても同じような体験はできない気がする。
やっぱり、金太郎は細い目で頬に渦巻きとバッテン印、浦島太郎は鏡餅のような輪郭につぶらな瞳が良かったなぁと思ってしまうのはわがままだろうか。
9月に配信された任天堂のプレゼンテーション映像Nintendo Direct内では、さくまあきら氏より“イラストは今の時代に合わせて”変えられたことが明言されている。
桃太郎シリーズは元々ハドソンの作品だった作品が、現在はKONAMIの管理下に置かれており、さらに最新作の今回は発売元が任天堂となっている。版権に対しても複雑な事情があるかもしれないが、あのデザインに親しみがあった身としては少し残念だ。
今回のリニューアルは「桃太郎電鉄」だけでなく「桃太郎シリーズ」自体にも衝撃の変化と言える。もちろん寂しさは否めないものの、一度終わってしまったと思ったシリーズの最新作に再び出会えることはやはり嬉しい。
馴染み深かったあの頃の金太郎や浦島太郎を惜しみながらも、新しい時代の到来を味わうのも、これはこれで諸行無常の味なのかもしれない。
(あにぶ編集部/ネジムラ)
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