TPP「率先し国内承認手続完了を」外相に提言、有識者会

2016年11月12日 12:01

 外務大臣の下にアメリカ新政権の下での日米関係の在り方について検討するために設けられた民間有識者らで構成する「日米経済研究会2016」が、11日、岸田文雄外務大臣に「新時代の日米経済関係の構築」と題した提言書をまとめ、提出した。提言では「TPP協定の経済的・戦略的意義に鑑み、日本が率先して国内承認手続を完了すべく、政府は引き続き全力を尽くして取り組むべきである」としている。

 また「自由貿易の推進に向けて日米はリーダーシップを発揮すべき」とし「TPP協定の早期発効に向けた取り組みを引き続き重視する観点から安倍総理大臣とオバマ大統領は協定の早期発効のためにリーダーシップを発揮しつつ努力すべき」としている。

 あわせて「米国政府が取り組んでいる世論対策に日本としても積極的に協力しTPP協 定の主要パートナーたる日本からの声も、在米大使館及び各総領事館によるメディア発信や連邦議員(超党派の「ジャパン・コーカス」所属議員を含む)、州知事等に対する直接的働きかけ等により積極的に発信していくべきである」とオバマ大統領をバックアップする対応も必要だとしている。

 このほか、提言は日米両国が推進していくべき具体的分野として(1)インフラ (2)日米が先端技術を主導する形での協力(3)エネルギー(4)あらゆる人々が活躍できる経済実現に向けた諸課題及び知見の共有(5)バランスのとれた金融監督行政の推進(6)経済統計の把握・分析手法に関する共同研究(7)双方の対内投資、観光客等の人的交流の促進(8)中国を国際社会の責任あるパートナーとなるよう導くための日米協力(9)地球環境・気候変動(10)グローバルヘルス分野や医療分野と、10の分野をあげた。

 日米経済研究会2016のメンバーは12人。久保文明東大大学院法学政治学研究科教授はじめ渡邊頼純慶應義塾大学総合政策学部教授、村上由美子OECD東京センター所長、飯塚恵子読売新聞編集局国際部長、久保田政一日本経済団体連合会事務総長、小平信因トヨタ自動車取締役、小島順彦三菱商事相談役らが入っている。(編集担当:森高龍二)

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