NYの視点:市場はクリントン氏の勝利ほぼ織り込む=CNBC調査
2016年11月8日 07:27
*07:27JST NYの視点:市場はクリントン氏の勝利ほぼ織り込む=CNBC調査
米大統領選挙の投票終了を8日に控えて、経済専門局CNBCが実施した調査によると、半数以上の投資家が、万が一、共和党候補であるトランプ氏が勝利した場合、株式相場が下落すると警戒していることが明らかになった。クリントン氏の政策はほぼオバマ政権の政策を引き継ぐと見られるため、良し悪しは別にして投資家の安心感につながる。一方、政治家ではなくビジネスマンのトランプ氏には政策に未知な部分が多く、不透明感がリスクと見られている。ただ、与党から野党に移行する際、金融市場が下落するのは異常なことではなく、トランプ氏に限ったことではない。
回答者である36人の市場関係者のうち78%がクリントン氏の勝利を織り込んでいる。これは、米連邦捜査局(FBI)が、クリントン前国務長官の私用メール問題に関する再捜査を発表する前の86%前後から若干低下したもののほぼ変わらずとなっている。
また、経済にとり最善なのはクリントン氏と考えている投資家は回答者全体の44%、トランプ氏が47%。経済政策ではトランプ氏の政策がクリントン氏の政策よりも評価された形。一方、株式相場に最善なのはクリントン氏が69%と、トランプ氏25%に比べて、大きく有利と見られている。
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長に関しては、クリントン氏は62%の確率で再任すると見られているが、トランプ氏は82%の確率で再任しないと見られている。トランプ氏は、連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げを見送った理由として、選挙を見据えた与党寄りの政策とFRBを度々批判している。金利に関しては、クリントン氏が勝利した場合、ほぼ変わらずと見られている。
■大統領選挙での勝利確率
クリントン氏:78%
トランプ氏:8%
■勝利を望むのは
クリントン氏:46%
トランプ氏:23%
わからない:17%
■経済にとって最善なのは
クリントン氏:44%
トランプ氏:47%
■株式相場にとって最善なのは
クリントン氏:69%
トランプ氏:25%
■2017年の株式相場予想
*株価が下落
トランプ氏:48%
クリントン氏:18%
*株価が上昇
トランプ氏:21%
クリントン氏:18%
*株価は変わらず
トランプ氏:30%
クリントン氏:64%
■2017年FF
*低下
トランプ氏:32%
クリントン氏:6%
*上昇
トランプ氏:25%
クリントン氏:6%
*変わらず
トランプ氏:41%
クリントン氏:88%
■イエレンFRB議長
*クリントン氏
再任する:62%
再任しない:27%
*トランプ氏
再任する:6%
再任しない:82%
(出所:CNBC)《NO》