日産、新パワートレーン「e-POWER」搭載の「ノート」発表
2016年11月6日 23:52
日産自動車がコンパクトカー「ノート」に追加車種として、100%モーター駆動の新しいパワートレーン「e-POWER」を搭載したモデルを発表した。
日産の説明によれば、「e-POWER」はガソリンエンジンとモーターを融合した新しいパワーユニットで、ガソリンエンジンで発電した電気で走行する。「日産リーフ」にも搭載している大出力モーターだけで100%駆動する。「NOTE e-POWER」の燃料はガソリンであり、駆動用バッテリーへの充電を気にする必要はない。かつ、100%モーター駆動のため走る楽しさは、まさにEVそのものであるという点で、従来のコンパクトカーに多く採用されているハイブリッドシステム車とは全く異なる、新しい電動パワートレーン搭載車だ、としている。
しかし、端的に表現すると、いわゆる“シリーズ型”のハイブリッドシステムで、ガソリンエンジンをモーターがフォローするトヨタやホンダのパラレル型ハイブリッドとは異なる、というだけ。“シリーズ型”ハイブリッドは古くから使われた技術で、大型船舶や日本では主流にはならなかったが、気動車(ディーゼルカーなど)と呼ばれる鉄道車両でグローバルに用いられてきたパワートレーンだ。ただ、A・Bセグメントのコンパクトな自動車に搭載されるのは初めてだ。
「e-POWER」の駆動用モーターの最大出力は80kW。同社の電気自動車(EV)リーフと同じ。駆動のための電気を一時的に貯めるバッテリー(リチウムイオン電池)容量はリーフの20分の1で、1.5kWh。コスト削減にも貢献する。発電用のエンジンは、従来のノートの1.2リッター3気筒エンジンを一部改良して採用している。
注目されるJC08モード燃費は37.2km/リッターとなかなか優秀な値。エンジンとモーターの両方を駆動に使う「パラレル式」を採用するトヨタ・アクアの37.0km/リッターを上回り面目躍如というところ。
運転感覚は独特で、新感覚の走行モード「e-POWER Drive」は、ワンペダル感覚の運転を楽しむことが可能だとする。アクセルペダルの踏み戻しだけで、加速から減速までを楽に行なえる「e-POWER」の走行モードは、ブレーキペダルを踏む回数が減少するという。加速度の違いにより、キビキビとした走りの「Sモード」と燃費にやさしい「ECOモード」を選ぶことも可能だ。
「e-POWER」開発でキーになったのが、日産のエネルギーマネジメント技術。バッテリーの量を競合他社のハイブリッドと同等程度に少なくしても、EVらしさ、すなわちモーター駆動のもつ走りの良さや静粛性を失わず、かつ、エンジンの作動を乗員が気づかないレベルとするため、いかにエネルギーを効率的に使うかをポイントに研究開発してきたという。
ただ、新しいとされる「e-POWER」だが、あくまでガソリンエンジンを使ったハイブリッドカーであるため、米国などのZEV規制には対応できていない。
新型「ノートe-POWERお価格は、177.228万円から224.424万円。(編集担当:吉田恒)