2017年にかけて日米長期金利格差はやや拡大か

2016年11月1日 17:03

*17:03JST 2017年にかけて日米長期金利格差はやや拡大か
 日本銀行は11月1日に開いた金融政策決定会合(2日目)で当座預金における政策金利を現行の-0.1%に据え置くことを7対2の賛成多数で決定した。また、10年国債金利(利回り水準)の操作目標を0%程度に維持することも決定された。金融政策の現状維持は予想通り。
 
 日銀は2%物価目標の達成時期を従来の2017年度中から2018年度に先送りしたことから、現行の金融緩和策は長期化するとの見方が広がっている。長期国債金利(利回り水準)を0%程度で推移するよう長期国債の買い入れを行うが、買い入れのペースはおおむね現状程度(国債保有残高が年間80兆円規模で増加する)になるとみられる。

 また、長期国債金利を0%程度で推移するような金融調節が実施されることから、日米の長期金利格差が縮小に向かう可能性は低下したとみられる。足元では米長期金利(10年国債利回り)はやや上げ渋っているが、雇用市場の拡大が続いていることやインフレ見通しの改善傾向を受けて12月に0.25ポイントの追加利上げが実施される可能性が高い。

 米国では2017年は複数回の利上げが予想されており、米経済情勢に大きな変化が生じなければ、来年前半にかけて長期金利水準は2%程度まで上昇する可能性がある。日米の長期金利格差は現在1.9%程度(米国1.85%近辺、日本-0.05%近辺)で推移しているが、来年にかけて2%程度まで拡大する余地が生じることから、為替についてはドル高・円安が進行する可能性がやや高まることが予想される。《MK》

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