【村山貢司の気象&経済歳時記】早い冬の訪れ

2016年11月1日 12:34

 10月の気温は関東から西の地方では平年よりやや高くなったが、10月末からはかなり寒くなった。北日本では10月下旬の気温が平年より2度から3度低く、北海道の内陸や北部ではすでに積雪が20cmを超えている所がある。

 最新の長期予報では11月は九州と四国は平年並み、その他の地方は平年並みか平年より低く、特に東北と北海道はかなり低くなる予想である。12月以降は西日本を中心に寒気が南下しやすく、12月から1月にかけては西日本で平年よりやや低く、東日本や北日本も平年並みかやや低くなる可能性が高い。

 昔から冬は寒いほど日本の経済にプラスになると言われるが、消費者の動向は真冬の寒さより、初冬の寒さに影響されることが多い。1月の気温は冬の経済にはあまり影響はなく、最も効果的なのは11月から12月前半にかけての気温が低くなる場合である。平年並みかやや低い気温というとたいした寒さではないような印象になるが、近年の暖冬に慣れた消費者にとってはかなり寒いと感じられるはずで、冬物衣料や家電は動きが早いと予想される。

 ラニーニャ現象が顕著になれば、さらに寒くなる可能性もある。問題は2014年2月のような大雪である。本州の南岸を低気圧が発達しながら通過するケースで、2014年の2月は2週連続で東北南部から関東甲信越で記録的な大雪になった。実は東日本の大雪の記録の大半はこの20年間に記録されており、温暖化による気候変動は現在のところ極端な気象現象が起きるという状態である。(村山貢司=気象予報士・経済評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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