メッセージングアプリ11社のプライバシーランキング、1位はFacebook

2016年11月1日 19:08

Amnesty Internationalが人気メッセージングアプリを提供する11社のプライバシーランキングを公表している。評価は100点満点で、主にエンドツーエンドの暗号化が評価の対象となっているが、プライバシー保護に対する姿勢も加味されているようだ(Amnesty Internationalの記事BetaNewsの記事)。 1位はFacebook(Messenger、WhatsApp)で100点満点中73点。WhatsAppはエンドツーエンドの暗号化がデフォルトで有効になっており、エンドツーエンドの暗号化が使われない場面ではユーザーに明確な警告を表示する唯一のアプリである点が高く評価されている。一方、Messengerについてはエンドツーエンドの暗号化がデフォルトで有効になっておらず、弱い暗号を使用する場面で警告しない点がマイナス評価となっている。 2位のApple(iMessage、Facetime)はエンドツーエンドの暗号化がデフォルトで有効になっている点や、政府の要求によるバックドア設置とデータ開示に反対している点が評価され、100点満点中67点。ただし、メッセージをiPhone以外のユーザーに送信する場面など、エンドツーエンドの暗号化が使われない場合に通知することが求められるとのこと。 2位にはAppleと同点でTelegram(Telegram Messenger)が並んでいる。こちらはプライバシーと表現の自由を売りにしているにもかかわらず、エンドツーエンドの暗号化がデフォルトで有効になっておらず、弱い暗号を使用する場合にも通知されない点がマイナス点として挙げられている。Appleと同点になった理由は不明だ。 4位以下の各社のスコアは以下の通り。 Google(Allo、Duo、Hangouts): 53点   LINE(LINE): 47点   Viber Media(Viber): 47点   Kakao(Kakao Talk): 40点   Microsoft(Skype): 40点   Snapchat(Snapchat): 26点   Blackberry(Blackberry Messenger): 20点   Tencent(WeChat、QQ): 0点 Googleのアプリでエンドツーエンドの暗号化がデフォルトで有効になっているのはDuoのみで、Alloではオプション、Hangoutsには搭載されていない。LINEはエンドツーエンドの暗号化がデフォルトで有効になっているが、人権に対する脅威を十分ユーザーに伝えていない点や透明性リポートを公開していない点がマイナス評価となっている。 MicrosoftとSnapchatはプライバシー重視を強く打ち出しているにもかかわらず、アプリではエンドツーエンドの暗号化を採用していない。Snapchatについては「消える」メッセージでユーザーに誤った安心感を与えているとも指摘されている。Blackberryはエンドツーエンドの暗号化を有料ユーザーにのみ提供しているほか、表現の自由に対する姿勢を明確に示しておらず、透明性リポートも公開していないとのこと。Tencentのアプリではエンドツーエンドの暗号化が搭載されていないだけでなく、バックドアに反対する姿勢を示していないことから、100点満点中0点の評価となったようだ。

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