20周年というのに大失態!ポケモン映画が「最低」興収更新はなぜ?

2016年10月31日 17:50

記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ

 今、ポケモンが熱い。社会現象にもなった「ポケモンGO」の大ヒットも記憶に新しいですが、まもなく11月18日にはゲームシリーズ最新作「ポケットモンスターサン/ムーン」の発売が控えています。まさに、ポケモン20周年のアニバーサリーイヤーにふさわしい盛り上がりの年となっております。そんな絶好調な雰囲気のポケモンにもこの夏、不穏とも言える数字を記録しようとしている分野があります。それが「ポケモン映画」。

 今年のポケモン映画「ポケモンザ・ムービーボルケニオンと機巧のマギアナ」に関する公式の最終興行収入(以下、興収)結果はまだ公式に発表されていないものの、経過から見て現状およそ20億程度が予想されているのです。前売り券分の売上が若干この後加算されることを考慮しても、これはシリーズ過去最低興収作品であった昨年の「光輪の超魔神フーパ」の26億をさら下回る最低興収更新がほぼ確定的な数字といえます。

 果たして一体ポケモン映画に何が起こっているのでしょうか。

■年々興行収入は低下傾向だった劇場版ポケットモンスターシリーズ


 実は今年に限った話ではなく近年のポケモン映画興行収入は減少傾向にありました。もともとポケモンのアニメシリーズは、ポケモンのゲームの新作に合わせてアニメシリーズをリニューアルしていきました。

 リニューアルと共に、同時期の劇場版の興収の持ち直しは起こるものの、ピークはアニメ第3シリーズの「ポケットモンスターダイヤモンド・パール」時代まで。第4シリーズ「ポケットモンスターBW」には30億円代、第5シリーズ「ポケットモンスターX&Y」には20億円代とTVアニメシリーズのリニューアル毎に、劇場版興行収入平均は低下していたのです。かつては40億円台だったポケモン映画ブランドは現在20億円台のブランドにまで下がってしまっているのです。

 これを単純に少子化などのせいにできないのも悲しいところ。他のTVアニメの劇場作品はここ数年、映画興行が絶好調なのです。「名探偵コナン」、「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」などは近年、劇場版シリーズ最高興収記録の更新を果たすなど、平均的な興収が上がっている状態なのです。

 そんな中、唯一、劇場版ポケモンだけが右肩下がりを続けています。これはさすがにアニメ映画全体の問題でなく、ポケモン映画自体の問題と受け取れます。

■十分に魅力的で評判も悪くなかった「ボルケニオンと機巧のマギアナ」


 今年の「ボルケニオンと機巧のマギアナ」の評判は決して悪くなかったのです。『ここ最近でも一番』、『泣ける』などTwitterでの感想が散見できたこともあって筆者も期待して見に行きました。個人的には、諸手を挙げて賞賛とまではいかない一作だったものの、江戸っ子気質のボルケニオンのカッコ良さや、お世辞にも萌えキャラとは程遠いビジュアルながら見事に可愛く描かれているマギアナといったゲストポケモンの魅力を確かに感じられる一作でした。

 この出来でシリーズ最低興行収入とされてしまうのは確かに惜しいです。

■今度の動向にも注視


 ある意味、変化を迫られているポケモン映画ですが、冒頭でも書いたように間もなく新作のゲームが発売となります。それに伴い11月17日から、大きく分けて第6シリーズ目となる「ポケットモンスターサン&ムーン」がスタートします。

 前シリーズからスタッフの変更があるうえ、目に見えた大きな変化として主人公サトシ君のビジュアルも大幅に変化。主人公サトシくんが学校に通い出すという設定上の変化も発表されています(実はそういう話はこれまでもあったのですが)。

 果たしてポケモンのアニメはこれからどんな進化を経ようとしているのか、まもなくスタートの新シリーズに注目すると共に、すでに今年の映画の最後に公開を発表している来年2017年の劇場版ポケモンの動向も気にしていきたいところです。

 文:ネジムラ

夏といえば「ポケモン」映画! ボルケニオン の渋さに惚れる!?

(あにぶ編集部/あにぶ編集部)

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