山本耀司の展覧会「画と機」東京オペラシティで開催 - 画家・朝倉優佳とコラボ

2016年10月28日 13:00

 ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)のデザイナー・山本耀司と、アーティスト・朝倉優佳による展覧会『「画と機」山本耀司&朝倉優佳』が、東京オペラシティ アートギャラリーで開催される。期間は、2016年12月10日(土)から2017年3月12日(日)まで。

 山本と朝倉のコラボレーションは、2016年春夏メンズウィメンズコレクションからスタートした。メンズでは、ヨウジヤマモトを象徴する“黒”のセットアップスーツに、鮮やかなアクリルペイントのプリントをのせて、躍動的なウェアを提案。一方ウィメンズでは、中世のヨーロッパで見られる「クリノリン」を想起させるドレスに、絵画を添えて、独自の世界観を構築していた。

 洋服という立体物に向き合ってきた山本と、絵画という平面的なものに向き合ってきた朝倉。今回の展覧会では、両者ともに、絵画とファッション、二次元と三次元、男と女…、反発し合いながらも惹かれ合う、相反するものの関係性について迫る。

 タイトル名の「画と機」は、絵画を意味する<画>とはずみ、機織(服)を意味する<機>を掛け合わせたもの。山本の希望により、編集工学者である松岡正剛が考えたものだ。元々山本は、“ガキ”という音の響きが好みで、この言葉をよく用いているという。

 本展では、未発表の絵画やインスタレーションなどのほか、ここ数シーズンに渡りヨウジヤマモトの服づくりに熱を与えた若手画家 朝倉優佳の作品も交えて紹介。「画と機」の、衝突・融合・失望・対立・共存・刹那・交替・憧憬・永遠の現場を堪能できる特別な空間となりそうだ。

 展覧会開催を記念し、2016年1月15日(金)にパーティーを実施。ヨウジヤマモト青山本店で、本展の序章ともなるインスタレーションが披露された。

 1階、地下1階の壁面全体を使用した作品は、力強くエネルギッシュ。2016年春夏コレクションの色彩から着想を得て、1階はウィメンズコレクションのブルーやブラック、地下1階はメンズコレクションのピンクや赤などを採り入れた作品が飾られた。このヨウジヤマモト青山本店でのインスタレーションは、展覧会の会期中いっぱい見ることができる。山本と朝倉がコラボレーションした2016年春夏の新作ウェアも並ぶ、贅沢な空間に仕上がっているので、ぜひ訪れて欲しい。

 山本&朝倉に展覧会とインスタレーションについて、話を聞いた。

 Q.展覧会では、どんな作品を発表される予定でしょうか。
山本:まだ、アイデアがありすぎて絞り切れないです。いくつか挙がっていますが、まだ秘密です。

 Q.今回のインスタレーション制作で、朝倉さんをサポートしたと伺いました。
山本:絵の専門の人って、キャンバス一枚に向かってものを考えてるんですよね。ところが今回は空間でしょ。だから、キャンバス一枚を並べて繰り返すととても“ダサイ”ことになってしまうので、全部が一枚のキャンバスだっていう見方をして、重心をどうずらしていくかというアドバイスをしました。

 Q.それは洋服作りから得たアイデアなのでしょうか。
山本:洋服作り続けて30~40年なので、動く立体に関しては、頭の中が百貨辞典みたいなものなので、そこから派生したものもあるかもしれませんね。

 Q.インスタレーション制作にあたり、大切にしたことはどんなところでしょうか。
朝倉:コレクションラインの色彩を意識していました。1階は寒色をベースに、地下1階は華やかな色彩を用いて描きました。元々人体をモチーフにして(作品制作を)しているのですが、今回は絵の具を崩したり、遊ばせたりさせましたね。

 Q.作品のポイントはどんなところでしょうか。
朝倉:平面(キャンバス)とは違って、空間にあるものなので、洋服を目の前に配置したり、観に来てくれる人がいたり、そうした中で作品が完成するようにしました。

 Q.山本さんからはどんなアドバイスをいただいだのでしょうか。
朝倉:普段やっているものを誠実に出して欲しい、ということ。「やりすぎたくらいでいい」という言葉もいただきました。作品そのものよりは、モチベーションやメンタル面でサポートしていただきました。

 Q.どんな展覧会を目指していますか。
朝倉:コレクション制作を通して、二次元、洋服の三次元、そして人が纏った四次元まで、様々な経験させていただきました。もちろん、平面的な作品に力を注ぎたいのですが、色々なことを越える、壊す、そういった楽しさや感覚も感じていきたいです。

 このヨウジヤマモト青山本店でのインスタレーションは、展覧会の会期中いっぱい見ることができる。山本と朝倉がコラボレーションした2016年春夏の新作ウェアも並ぶ、贅沢な空間に仕上がっているので、ぜひ訪れて欲しい。

【イベント詳細】

■展覧会『「画と機」山本耀司&朝倉優佳』

開催期間:2016年12月10日(土)~2017年3月12日(日)
時間:11:00~19:00(金・土は20:00まで、最終入場は閉館の30分前まで)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3丁目20-2
TEL:03-5353-0756
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、2016年12月26日(月)~2017年1月3日(火)、2月12日(日)
入場料:一般 1,200(1,000)円、大・高生 800(600)円、中学生以下 無料
※同時開催「収蔵品展057 人間 この未知なるもの」「project N 66 村上早」の入場料含む。
※収蔵品展入場料200円(project Nを含む、割引なし)もあり。
※()内は15名以上の団体料金。
※障がい者手帳保持者及び付添1名は無料。
※割引の併用及び入場料の払い戻し不可。

【問合せ先】
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)

■インスタレーション

展示期間:~2017年3月12日(日)
会場:ヨウジヤマモト青山本店
住所:東京都港区南青山5-3-6    
TEL:03-3409-6006

関連記事

最新記事