子を持つ主婦、「食」への関心は「食品の安全性」

2016年10月27日 18:22

 総合マーケティング支援を提供するネオマーケティングが、3歳~高校生の子どもと同居する主婦を対象に「食」をテーマにしたインターネットリサーチを実施した。「あなたが料理をする理由をお答えください。」という質問に対して「節約のため」という回答が最も多く66.3%となった。2位には「健康のため」(40.2%)、3位には自分で作った方が安心・安全なため」(39.6%)と続いた。また、食生活の関心事項についての質問では「食品の安全性に関すること」という回答が最も多く49.5%、次いで「栄養に気を配った健康を意識した食生活」(49.0%)、「食事の際の家族との楽しいコミュニケーション」(45.7%)となった。子どもと同居する主婦は節約にも気を遣っているが、食の安全や健康に対しての意識が高いことがわかる。

 食の安全を重視する姿勢は、築地市場移転での土壌汚染問題の捉え方にも表れている。共同通信社の世論調査によれば、築地市場の豊洲市場への移転延期に関し「2020年東京五輪の計画に影響を与えてもやむを得ない」との回答が74.5%に上り、「影響を与えるべきでない」の20.3%を大きく上回る結果に。国民の土壌汚染問題への取り組みに対する優先順位の高さが示されたかたちとなった。

 築地市場の土壌汚染問題だけでなく、昨今では食品中の放射性物質や輸入食品の安全性に関する情報に触れる機会も多く、国民は食の安全に対しての意識が高くなっていると考えられる。食の安全を脅かす問題が山積するなか、厚生労働省ではこれに対処すべく、さまざまな施策を展開している。 食品中の放射性物質対策としては、基準値を設定してこれを超える食品が流通しないよう地方自治体が検査を実施し、基準値を超えている場合には出荷を止めるなどの対策をとっている。輸入食品の安全性維持に関しては、輸入食品監視指導計画に基づいて、各地の検疫所で輸入される食品が食品衛生法に適合しているかどうかを確認しる。厚生労働省ではホームページやパンフレットなどによる情報発信も積極的に行っており、こうした情報を取り入れて食の安全をとりまく状況を把握しつつ、自宅の食卓にて安全な食品を提供する主婦も増えていると考えられる。(編集担当:久保田雄城)

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