武力衝突予想のうえでPKO派遣延長を閣議決定
2016年10月26日 09:02
政府は25日、今月末に期限切れを迎える南スーダンPKO活動への自衛隊派遣の期間を来年3月31日まで「5か月延長する」ことを閣議決定した。また航空自衛隊の輸送部隊の経由地としてラオスとエチオピアを追加した。
政府は「国際平和協力法第7条第1号及び同条第3号の規定に基づき、変更に係る実施計画の内容と変更前の期間における実施の状況については国会に報告する」としている。
また、自衛隊の活動について「厳しい情勢の下だが、専門的な教育訓練を受けたプロとして、安全を確保しながら、道路整備や避難民向けの施設構築を行うなど、意義のある活動を行っている」とし「危険の伴う活動ではあるが、自衛隊にしかできない責務をしっかり果たすことができている」とした。
また、南スーダンにおいて「法的な意味の武力紛争は生じていない」との判断を改めて示すとともに「今後も南スーダンにおいて武力衝突の発生は十分に予想されるが、PKO参加5原則は引き続き維持されるものと考えている」と断定した。
菅義偉官房長官は記者会見で「国家安全保障会議の9大臣会合の審議・決定を得たのち、閣議で南スーダン国際平和協力業務実施計画の変更等を決定した。これにより国際連合南スーダン共和国ミッションへの自衛隊施設部隊等の派遣期間が5か月延長されることになった」と語った。
また派遣の意義について「南スーダンは6カ国と国境を接し、アフリカ大陸を東西南北に結ぶ極めて重要な位置にある。南スーダンの平和と安定は南スーダン一国のみならず、周辺諸国の平和と安定、ひいてはアフリカ全体の平和と安定につながるもの」と強調。
政府は「アフリカの多くの国が苦しんでいる不安定と治安の問題を解決するという意味でアフリカ全体の『希望』につながるものであり、自衛隊派遣は大きな意義がある」としている。(編集担当:森高龍二)